はじめに

利上げが暴落のシグナルに?

今回の暴落のシグナルは日銀の金融決定会合の会見が大きかったように思います。日銀は7月31日、政策金利を0.25%程度に引き上げる追加の利上げを発表しました。さらに総裁記者会見において「日本の政策金利がこのところ0.5%を超えたことがない」と指摘されたのに対し「経済・物価の情勢が私どもの見通しに沿って動いていけば(中略)、引き続き金利を上げていく考え」と回答しました。

また政府の動きとして、7月17日河野デジタル相は円安是正のため利上げを単独インタビューで考えを示し、7月22日、自民党の茂木幹事長は「段階的な利上げの検討も含めて金融政策を正常化する方針をもっと明確に打ち出す必要がある」と語り、過度な円安の是正へ分かりやすい情報発信を求めました。

このような発言から総合的に市場の空気感が悪化し、円安ドル高の後退などの懸念から売りが加速していったと思われます。実は8月1日から株価の急落は始まっていて、1日と2日で日経平均株価を3192円も押し下げました。この下げで信用取引の追証が発生し、週明けは個人投資家による投げ売りも多くあったように思います。5日は先述の通り、売りが売りを呼ぶように暴落し、3日間合計で7643円(19.5%)の下落に至りました。

高配当株狙いはチャンス?

一方で海外投資家の動向を見ると6月第4週から7月第2週までは現物、先物共に買い越していますが、7月第3週から第4週(5週は不明)は一転大幅に売り越しているので、毎度の事ながら日本市場の状況を司っているのは海外勢の思惑によるところが大きいです。

暴落時はなかなか市場に手を出しにくいですが高配当銘柄や株主優待銘柄を狙っている方にはチャンス到来といえるでしょう。またオプション取引(今回は詳しい説明は控えます)を活用することも有効です。

ここまでの暴落は市場に長く身を置いている私も経験したことがない状況で、非常に驚きました。アルゴリズムによる売買が主流になっていることも要因のひとつと思われます。その辺の状況も折り込んで、今後に役立てたい貴重な経験となりました。

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