はじめに
リクルート「2023年首都圏新築マンション契約者動向調査」では、「世帯主と配偶者のペアローン」の割合は34%で、「2018年以降で最も高くなった」となっており、ペアローンを利用する方が増えていることが分かります。くわえて住宅ローンを検討する際、団体信用生命保険(以下、団信)に注目する方も増えています。そのような中、新たにペアローンでパートナーの万が一に一緒に備えることができる、いわゆる「ペアローン団信」が登場しました。
ペアローン団信の基本
ペアローン団信とは、ペアローンを利用する場合に限り利用できる団信です。一般的な団信であればローン契約者が被保険者となり、保険金額は契約者本人の借入金額となりますが、ペアローン団信ではご自身とペアとなる方の借入金額の合計額をそれぞれの保険金額として、被保険者となります。これにより、ご自身(ペアローン団信契約者)に万が一があった際、ご自身の住宅ローンのみならず、残されたパートナーの住宅ローンも完済されます。
ペアローン団信にはメリット・デメリットがあります。それぞれ見ていきましょう。
ペアローン団信の3つのメリット
1. 万が一の時には住宅ローンが完済される安心感
ペアローン団信はパートナーが加入していれば、パートナーが万が一の時、自分の住宅ローンも完済されます。保障の対象となる「万が一」は契約内容によって異なりますが、基本となるのは死亡時と高度障害時です。共働き家庭は家計の支え手が2人いるとはいえ、一方の支え手を失う損失は大きいです。万が一の時に住宅ローンが完済される安心感は大きいでしょう。
2. パートナーの万が一に一緒に手厚く備えることができる
ペアローン団信を提供する金融機関は少ないですが、各社基本の保障(死亡・高度障害保障)に加え、がんやその他の疾病の保障など、保障を上乗せできるメニューを用意しています。上乗せにあたっては、例えば年齢が50歳以下など一定の条件はあるものの、手厚い保障を夫婦で一緒に準備することができます。
3. 着実に万が一に備えることができる
ペアローンでは、パートナーが万が一の時にも残された方のローン残高は残るため、万が一のとき家計は厳しい状況に陥るケースもあります。しかし万が一の対策が必要、と認識している方は少なく、対策をしようにも住宅ローン取得時はさまざまな契約ごとのタスクがある中、手が回らずそのままになってしまう、というケースは見受けられます。ペアローン団信を活用することにより、このような事態を避け、スムーズに対策を取ることができるでしょう。