はじめに

2024年から開始の「新NISA」では、一生涯、運用益にかかる税金がゼロになることから、旧NISAである「一般NISA」時代にはフォーカスされていなかった「高配当株」に注目が集まるようになりました。書店に行けば、「高配当株本」が売れ筋として平積みされています。

配当株投資とは、配当金を得ることを目的とした投資ということになります。この中で「高配当」と「増配」というキーワードが出てきますが、実際どのように違うのか、分かっていないという声をちらほら聞きます。

そこで今回は、配当に関連する用語を整理しながら、どのように銘柄を選んでいくべきか解説していきます。


そもそも「配当」「配当利回り」「増配」ってなに?

配当金は、株主に支払われる利益の一部です。配当金を支払うことを「配当」といいます。原則、企業の最終的な儲けである「当期純利益」から支払われます。配当金は、日本株の場合年に1~2回、米国の場合年に4回もらえるのが一般的です。1株の株主でももらえます。当然、保有株数が多い株主はそれに応じてもらえる金額も増えます。

株価に占める配当金の割合のことを「配当利回り」といいます。配当利回りの計算式は「年間配当金÷株価×100(%)」。配当利回りが高いほど、少ない投資金額でもらえる配当金の金額が多いことを表します。

配当利回りが高い銘柄を「高配当株」といいます。厳密な定義はないのですが、おおよそ3%を超えると高配当株と呼ばれます。

また、企業は業績好調なときなどに配当金を増やす「増配」を行うことがあります。継続的に業績好調な企業の場合は、増配を何度も繰り返すので、株価が安いうちに購入し、長期保有できれば、毎年10%以上の配当金がもらえるお宝銘柄になることも夢ではありません。

配当利回りの計算式は上で述べたとおりなのですが、投資家自身が保有する目線での実質的な配当利回りは、「年間配当金÷株価(購入時点)×100(%)」です。

例えば、以下の株を購入したとします。

株価:2000円
配当金:40円
配当利回り:2%

それが、現時点では以下の状態になったとします。

株価:4000円
配当金:80円
配当利回り:2%

現時点でこの株を購入する人にとっては配当利回りが2%ですが、自分の目線では、80円÷2000円×100=4%になるというわけです。

配当利回りは購入価格で計算するので、増配することによって実質的な配当利回りもアップしていきます。購入時は2%程度の配当利回りでも、企業が成長し配当金を増やせば場合によっては配当利回り10%を超える超高配当銘柄になる可能性もあります。長期保有を前提であれば、増配株に投資した方がベターであることがわかります。

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