はじめに

株価暴落時、パニックに陥らないために大切なこと

2024年8月5日、日経平均株価は年初来安値(31,458円)を記録しました。同年7月11日42,224円の年初来高値と比較すると、約25%の大幅下落です。このような状況下では投資家は不安を感じパニックに陥りがちです。では、行動経済学の考えを踏まえて、株価暴落時に冷静さを保つためにはどのようなことに注意すればいいのでしょうか。

①逆張り

逆張りとは、相場が下がっているときに買い、相場が上がっているときに売る投資手法です。株価の急落を目の当たりにすると、「これ以上損をしたくない」という損失回避バイアスが強く働きます。この結果、売りが売りを呼び、株価がさらに下落するのです。

逆張りをする投資家は、このようなパニック売りを過剰反応と捉え、リスクをとって、あえて株や投資信託を買って将来的な利益を狙うのです。しかし、これは高度な知識と経験が必要で、一般投資家には難しいといえるでしょう。

②マネーリテラシーを身に付ける

マネーリテラシーとはお金に関する知識・判断力のことをいいます。例えば、現在の株価が、割安か割高かを判断する際に、「PER(株価収益率)」という指標が用いられることがあります。

PERなどの指標を理解することで、自分の買った値段で高いか安いかを判断してしまう「参照点依存症」にならず、現在の株価が割安か割高かを判断できるようになります。このように、マネーリテラシーの向上は適切な投資判断につながります。

③ドルコスト平均法を活用した積立投資

ドルコスト平均法とは、毎月一定額を投資することで、価格が変動による影響を押さえる手法です。価格が安い時にはたくさん買え、高い時には少ししか買えないので、平均購入単価を抑える効果が期待できます。積立投資であれば、「毎月3万円」といったように、あらかじめ指定したタイミングで購入することができるため感情に左右されることなく資産運用を継続することができます。

自分のルールを決める、投資目的と期間に立ち返る

投資をする前に、自分の「投資目的」と「投資期間」を明確にしておくことが重要です。

例えば購入時より10%下がれば、売却するといったように機械的なルールを決めておくのもいいでしょう。またNISAや確定拠出年金といった長期の資産形成を目的とする積立投資は、価格の動きに一喜一憂せず、積立などで仕組化して資産運用を続けることが大切です。

「行動経済学」の考え方を知ることで自分の感情をコントロールし、株価暴落時でもより冷静な投資判断ができるようにしたいものですね。

【監修】伊達有希子/ファイナンシャルプランナー(CFP、1級FP技能士)

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