はじめに

金利、為替、株価は相互に関係しており、どれか一つが動くと他の二つにも影響を与えます。投資家はこの関係を理解していると、金利が下がる局面で株を買う、為替が円安になるタイミングで輸出企業に投資する、といった判断が可能となるなど、理に適った投資タイミングを掴むことができます。また逆に、金利が上がりそうな時に株式を減らし、安全資産にシフトするなど、効果的で戦略的なリスク管理が可能になると考えられます。

そこで金利、為替、株価について3週連続で解説していきます。


第一回は投資を考える際にまず押さえておきたい「金利」です。金利は、日常生活の中でも耳にする言葉ですが、投資の世界では特に重要な役割を果たしています。この記事では、金利とは何か、その基本的な仕組みと、投資における金利の影響について解説します。専門的な言葉はわかりやすく解説していきますので、初心者の方も安心して読み進めてください。

金利とは?

金利とは、お金を貸す際に発生する「利子」の割合を指します。お金を借りるときは、貸した人(あるいは銀行などの金融機関)に借りた金額に対して「利息」を支払います。その利息を計算するための基準となるのが金利です。例えば、銀行から100万円を借りて金利が年5%の場合、1年後には借りた元金100万円に加えて、5万円(100万円の5%)の利息を支払うことになります。これが金利の基本的な考え方です。

金利の種類

金利にはいくつかの種類があり、それぞれが異なる場面で使われています。

●短期金利:1年未満の期間に適用される金利のことです。金融機関が銀行同士で資金を融通する(貸し借りする)際に使用される「無担保コールレート」などが代表的です。
●長期金利:1年以上の期間で適用される金利です。国債や住宅ローンなど、長期的な資金調達に関わる金利がこれに該当します。ニュースで「アメリカの長期金利」と言われる場合は10年物国債指標銘柄利回りのことを指します。10年物国債が最も流通量が多いので長期的な金利水準を示すのに適しているためです。
●名目金利:インフレ(物価の変動)を考慮しない金利です。単純に表示されている金利を指します。
●実質金利:名目金利からインフレ率を差し引いたものが実質金利です。例えば、名目金利が5%でインフレ率が2%の場合、実質金利は3%になります。つまり、インフレを考慮すると、実際に得られる利益はこの実質金利で計算する必要があります。

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