はじめに
ある程度の資産を形成するためには
本気で資産形成をしようと思ったら、そもそも少額投資などには目を向ける必要はありません。ポイント投資も、はっきりいえば無意味です。とにかく資産形成をしようとするならば、長期間にわたって積み立てを続けられる金額のなかで、上限いっぱいの額を設定する必要があります。
また将来の目標金額から逆算していくという手もあります。正直、あまりこれは使いたくないのですが、目標金額と積み立てる年数、そして平均利回りさえ所与の数字として決めておけば、毎月の積立金額をおおまかに把握できます。
金融庁やインターネット証券会社などでシミュレーターを公開しているので、それを利用すると良いでしょう。たとえば最終積立金額を3000万円として、積立期間を30年間、平均リターンを年6%にすると、この目標額を達成させるためには、毎月約3万円の積立金額が必要になります。
平均リターンは資産クラス別の期待リターンを当てはめておけば良いでしょう。もちろん期待リターンは一定ではなく、その年のマーケット状況によっても変わってきますが、ひとつ参考になるのは、JPモルガンアセットマネジメントが毎年算出・公表している「超長期市場予測」です。
たとえば2024年のレポートから期待リターンを見ると、日本大型株式のそれは8.10%、先進国株式為替ヘッジなしが6.81%、世界株式為替ヘッジなしが6.89%です。もしオール・カントリーインデックスファンドで積み立てるとしたら、世界株式為替ヘッジなしの6.89%を年平均リターンとみなしてシミュレーションすれば良いでしょう。最終積立金額を3000万円として、積立期間を30年間、平均リターンを年6.89%にすると、月々の積立金額は2万5129円になります。
定期的に積立金額の見直しを
理想をいえば、最初は2万5000円程度の積立でも、一定期間ごとに積立金額を増額した方が良いでしょう。
たとえば今は毎月2万5000円でも、40歳になったら3万5000円、50歳になったら4万5000円というように増額していくのです。
仮に、平均リターンが年6.89%で、30歳から60歳までの30年間を、上記のように段階的に積立金額を増額していくと、60歳時点での総資産額は約3577万円になります。
ここまでやれば、しっかりと資産形成ができます。繰り返しになりますが、ある程度の資産を投資で築こうとするならば、少額投資などという言葉に甘えず、自分のできる範囲で最大額を積み立てるようにしなければなりません。
確かに最初はきついかも知れませんが、若いうちからしっかり積立投資を続けていたことが、実際に50代、あるいは60歳になった時、「本当に良かった」と思えるようになるはずです。
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