はじめに

更新できず無保険になってしまうことも

筆者のところに、更新型保険の更新時に保険料が払えなくなったという相談がありました。

保険には一生涯保障内容や保険料が変わらない終身型と、10年ごと20年ごとなどに更新を行い、商品によっては新しい保障内容に見直しができる更新型があります。見直しができる更新型保険は合理的といえますが、更新ごとに保険料が上がっていくところがデメリットといえます。

年齢が上がるにつれリスクが高くなるので保険料アップは当然なのですが、50代60代となると、保険料の上がり方がうなぎ上りになり、家計をかなり圧迫していきます。保険料を抑えるために保障金額を下げ、保険料を調整することもできますが、死亡や病気のリスクは高齢になると高くなるのに、リスクが高くなった時保障を下げていくのは合理的ではありません。

相談に来た方は、「知人の付き合いで入っていたため、内容はよくわからなかったが、断ることもできず更新してきた。更新時に保険料があまり変わらないように調整してきたが、保障金額には下限があり、これ以上下げられず、保険料が高くなりすぎて払えなくなり相談に来た」ということでした。更新はあきらめ、医療保険だけは入りたいという意向があり、持病があったため、一般の医療保険より保険料が若干高い、終身型の緩和型医療保険に加入しました。

この方は、医療保険だけは加入することができましたが、体況によっては、保険に入れず無保険になってしまう可能性もあります。長年頑張って保険料を払い続けていても、払えなくなればそこで終了です。どの程度のお付合いかわかりませんが、その保険募集人が無保険後の生活を保障してくれるわけではありません。保険は契約ですから、お勧めする担当者がいるとはいえ、充分検討し、ご本人が納得した上で加入する必要があります。

人任せにしないために

民間の生命保険は公的保険の不足分を補填するために加入するのが基本です。保険に加入する際には公的保障を確認したうえで加入しましょう。例えば、

・遺族のための死亡保障に加入する場合は、遺族年金はいくらもらえるのか
・医療保障に加入する場合は、高額療養費制度の自己負担額の上限はいくらなのか
・傷病手当金はいくらもらえるのか
・老後の介護保障に加入する場合は、老齢年金はいくらもらえるのか

上記のように、公的保障を確認しましょう。このような試算は誕生月に毎年送られてくる「ねんきん定期便」で試算が可能です。保険提案をしてくれる担当者に相談してみましょう。

生命保険の設計書は、一般の人にはわかりづらいこともあります。説明がわからないから面倒になり、お任せしてしまったという話もよく聞きますが、高い買い物だということを思い出し、納得いくまで説明してもらいましょう。

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