はじめに

年々、夏の暑さが厳しくなり、さらに長くなっているような気がします。実際、2024年の東京の夏日の日数は、153日と観測市場最多を更新しています。また、東京の熱帯夜(日中の最低気温が25℃以上の日数)は、過去10年の平均と比べて大幅に増加し、60日以上となっています。

夏の長期化が業績に影響を及ぼす業界といえば、いちばんに思いつくのはアイスクリームではないでしょうか? わたしの娘は、学校帰りに必ずアイスをふたつ買ってきて、帰宅直後と、お風呂上がりに毎日食べています。わたしも2024年の夏は、いつも以上にアイスを食べたように思います。


アイスクリームの売り上げは過去最高に

総務省統計局家計調査(二人以上の世帯)によると、2023年の年間アイスクリーム支出金額は11,580円で、10年前の支出額8,006円と比べると144.6%に拡大しています。食料費全体の伸びは、113.7%なので、日々の喫食におけるアイスクリームの存在感が年々増していることが分かります。

日本アイスクリーム協会が23年10月に行った調査では、前年と比べアイスクリーム購入機会が「増えたと思う」と答えた人は41.4%で、「減ったと思う」の11.3%を大きく上回っています。やはり、暑いとアイスを食べたくなるのでしょう。

また、おもしろいことに、最近では、冬でもアイスを食べる人が増えており、自宅でのアイスクリームのストック状況では「1年中ストックしている」が33.8%と、ほぼ3人に1人。となれば、アイスクリーム販売会社の業績が悪いはずがありません。

同じく日本アイスクリーム協会の調査では、2023年度のアイスクリーム販売実績金額は、6,082億円と過去最高を記録しています。2010年度に4,063億円となり、7年後の2017年度には5,114億円まで拡大、それから僅か6年間で6,082億円と勢いが加速しています。おそらく2024年はさらに記録を更新するのではないでしょうか?

売り上げ急増の背景は、ここ数年の原材料高による販売価格の改定に加え、消費者が「ちょっとした贅沢」や「自分へのご褒美」として、高価格のアイスクリームを購入する傾向にあることが挙げられます。

画像:日本アイスクリーム協会「アイスクリーム類及び氷菓販売金額の推移

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