はじめに
今週は米大統領選挙でした。
5日投開票の米大統領選で共和党候補のトランプ前大統領が勝利宣言。「再び偉大な国に」と述べました。米大統領が返り咲くのは132年ぶり。大統領は最長2期務めることが出来るため、トランプ氏はこの4年が最後ということになります。今回連邦議会選挙では共和党が上院での多数派となりました。
振り返りますと、現職だったバイデン氏が6月27日のトランプ前大統領とのテレビ討論会で精彩を欠いたこともあり、高齢であることの懸念が指摘されて党内から撤退を求める声が高まっているなか、7月に撤退を表明。その後、ハリス氏を後任候補として支持すると発表しました。異例の大統領選だったといえます。
接戦だったことで、「結果が出るまでに長引くのではないか」「裁判になるかも」という懸念がありました。ですがハリス氏が敗北宣言をしたことで、揉めることもなく想定よりも早く結果が確定したことや、トランプ政権の減税や規制緩和などへの制作への期待感から大きく買われ、6日の米市場は急騰。ダウ平均が前日比1508ドル05セント高の4万3729ドル93セントと大幅続伸し、10月18日以来の過去最高値を更新となるなど主要3指数が最高値を更新しました。
米大統領選挙は歴史的に、投資家にとって重要な相場の変動要因とされており、その結果は株価に大きな影響を与える傾向があります。今後の過去の大統領選における株価の動きと相場アノマリーを中心に、投資家として取るべき行動を解説します。
ハネムーン期間
米大統領選の年は、政策の不確実性が高まることから株式市場に影響を及ぼすことが多いと言われています。選挙直前や直後の動きは、当選候補者の経済政策や財政政策の影響を予測しようとする投資家心理によって左右されるため、相場が上昇したり下落したりする局面が見られますが、政策への期待から年末高になりやすいと言われます。大統領選にまつわる相場の経験則はたくさんありますが、「ハネムーン期間」をご存知でしょうか?
ハネムーン期間とは、政権交代後、新政権発足からの最初の100日間を指します。新大統領の就任直後は比較的高い支持率と安定した市場環境が続く時期ですので、この期間中は、投資家や市場が新しい政策に期待を抱くため、株価が安定または上昇しやすくなる傾向があります。例年11月・12月は「クリスマスラリー」と言われ、統計的に株価が上がりやすい月ということも影響しているかもしれません。