はじめに

選挙サイクル理論

年単位で見る「選挙サイクル理論」というのもあります。

4年に1度の大統領選に関連し就任した年(今回は2024年)とその翌年は政策期待で上昇しがち、2年目は冴えない値動きとなり、選挙前年がもっとも株価が上昇しやすいという理論です。大統領が再選を目指すことで選挙前年は景気刺激策を行う傾向があるため、その結果として株価が上がることが多いとされています。今回は米国が利下げ方向に動き始めてアメリカは金融相場に入っていることなどもあり足元は上げ目線で見られるのではないでしょうか。

過去の大統領選挙での株価動向を振り返ると、1970年代の米株式市場は長く低迷しており、「株式の死」と呼ばれていましたが、1980年にレーガン大統領当選後、減税政策への期待から株価は大幅に上昇し、「レーガン相場」と呼ばれました。

金融危機の最中に行われた2008年の選挙では、オバマ大統領が勝利すると、景気回復への期待が高まり、金融緩和政策も相まって株価は上昇基調となりました。そして前回トランプ氏が勝利した2016年の選挙では、トランプ大統領の経済政策(法人税減税・規制緩和)への期待が高まり、株価は大幅な上昇を見せました。

トランプ氏当選で注目は?

次に、注目ポイントや注目セクターなどをお伝えします。

まず政策発表を注視することが重要です。特にインフラ投資や増減税、規制強化・緩和などの政策は、関連企業の業績や投資環境を左右します。例えば、法人税減税が行われると企業利益が増え、株価上昇に寄与しやすくなります。一方、増税や環境規制の強化などは影響を受ける産業にマイナスの影響を与えることがあります。今回は規制緩和や企業支援策で恩恵を受ける金融、エネルギー、製造業セクターに注目すると良いでしょう。利下げもあるため住宅も恩恵を受けそうです。日本ではクボタ(6326)や信越科学工業(4063)などが関連銘柄として挙げられます。

防衛関連銘柄もすでに動いており、日本でも三菱重工やIHIなどが動意付き(上昇の気配を見せ)ましたが、トランプ氏は国の戦略的準備資産にするとビットコイン関連イベント「Bitcoin 2024」で発言するなど暗号資産にフレンドリーであるため、すでにビットコインをはじめとする暗号資産は上昇しています。日本株でもビットコイン(BTC)を主要な財務資産の選択肢としているメタプラネット(3350)はストップ高に。

米個別株では大統領選でトランプ氏を全面支援していたイーロン・マスク氏のテスラは大きく動いていますね。トランプ氏のSNSの運営を手掛けるトランプ・メディア・アンド・テクノロジー・グループも買われました。

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