はじめに

ボーナスが出る会社が減っている?

では本当に、ボーナスが出る会社は減っているのでしょうか。厚生労働省が毎月公表している「毎月勤労統計調査」の「令和6年2月分結果速報等」のデータを見てみましょう。

昨年の、令和5年の冬のボーナスが出た会社は、全体で69.0%でした。過去のデータをさかのぼると、平成29年は70.5%、平成30年は71.8%、令和元年は73.2%、令和2年は69.9%、令和3年は70.2%、令和4年は70.5%という割合です。

令和2年はコロナ禍で一時的に落ち込んでいる可能性があることを除外すると、全体的には年々微減傾向にあるのではないかと感じます。

ボーナスが出ない人の注意点は?

では、ボーナスが出ない場合は、どうしたらよいのでしょうか。

まず、注意点として、何かあったときに、ボーナスでリカバリーができない点に注意が必要です。本来は避けたいところではありますが、クレジットカードを使いすぎて銀行の残高が足りなくなりそうなときに「ボーナスが入って助かった」という経験がある人もいるかもしれません。

また、スマホや洗濯機、冷蔵庫など、値が張るものが突然壊れて、買い直しが必要なケースもあります。そんなときに、ボーナスがちょうど出る時期であれば、貯蓄を取り崩すことなく支払えるかもしれません。

しかし、ボーナスが出ない場合は、まとまったお金が入金されないので、日々の家計から、または計画的に貯蓄した中から支払う必要があります。

マネープランがうまくいかず、万一クレジットカードによる引き落としが数回できないなどの事態に陥れば、いわゆる“ブラックリスト”に載り(正しくは信用情報機関にクレジットヒストリーとして登録されて)、その後、新しくクレジットカードの申し込みができなくなったり、各種ローンの審査に影響が出たりする恐れがあります。

ボーナスが出ない場合は、自分で積み立てを設定しよう

ボーナスが出ない場合は、その分、基本給が高く設定されているケースもありますので、普段から月々預貯金をしっかり積み立てていくことをおすすめします。

また、その積み立ての一部で、投資信託の積み立ても検討するとよいでしょう。物価高が続く今、持っている資産が預貯金だけでは、長期的に見ると資産が目減りしてしまう恐れがあるからです。

最近は、以前に比べて転職をするチャンスも増えてきたと思います。ボーナスが出ない今の勤務先に不満がある場合は、ボーナスが出る会社への転職を検討するのも一つの手です。

もしボーナスがなくても、年収が上がれば、それだけ家計にゆとりができます。最近は長生きの時代になり、60歳や65歳を超えても働く人が増えています。長い目で見てキャリアアップを目指したり、副業を試してみたりして、年収を上げることも同時に考えていけるといいでしょう。

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