はじめに
導入が進む分野
生成AIの進化に伴ってさらに今後成長が期待される分野はたくさんあります。まずは医療分野です。医療における生成AIの応用は、特に診断や治療計画の支援で注目されています。AIが患者の症例データを分析し、カスタマイズされた診療ガイドラインを生成する技術は、医療の質を大きく向上させる可能性があります。例えば医療画像解析ではMRIやCTスキャン画像の解析による診断支援、化合物の組み合わせや臨床試験データの分析など新薬開発、患者とのコミュニケーションを自動化することなどが期待されます。
金融業界では、生成AIがデータ分析やリスク管理、投資戦略の構築に活用されています。アルゴリズムトレーディング(複雑な市場データの解析と意思決定の自動化)のほか、財務報告書や市場分析の自動作成などレポート生成、顧客ごとに最適化された投資提案も可能となります。
また生成AIは、教育のパーソナライズ化を進める重要な技術として期待されています。特定の学習者ニーズに合わせた教材の自動生成や、ネイティブスピーカー並みの発音や文法の指導なども可能で、既に上場企業のなかでは新入社員の教育の最初の部分はAIに任せ、実際に対面などが必要な教育のみ対人での研修をするといったケースも取り入れられています。
ChatGPTを提供するオープンAIと、子どもが安全にハイテクメディアを使えるための支援に取り組むNPO(非営利組織)のコモン・センス・メディアは、今週20日にAIとプロンプト作成を分かりやすく説明する、幼稚園から高校までの教師向けの無料トレーニングコースを開始したと発表しました。教育用途におけるチャットボットの使用法を解説するとのことです。
日米の生成AI関連銘柄
生成AI関連銘柄ですが、生成AIを支える基盤技術に関連する企業としてエヌビディアがあげられるほか、Microsoftが出資するオープンAI、Google AIとのチャットで文章やリストを作成することなどが可能なGeminiを提供するGoogle、そしてMicrosoftが王道の関連銘柄といえるでしょう。
またスタートアップには高い成長ポテンシャルがあります。特に、独自のAIモデルやニッチ市場での専門性を持つ企業が注目です。例えば動画生成AIではHedraやCaptionsなど、大手で生成AIを開発してきたエンジニアが集まり起業するなど新興スタートアップ企業が次々と参入しています。
日本でもブレインパッド(3655)、FRONTEO(2158)などAIの先駆け的銘柄のほか、ふるさと納税の代行業務など、地方創生を支援するサービスにAIを持ち込んだサイネックス(2376)、生成AIボットの開発や導入から活用までをワンストップで提供するL is B(145A)などたくさんの関連銘柄があります。ソフトバンクグループ(9984)もAI事業に注力すると孫社長が言及しています。
生成AI分野の投資には規制リスクや技術競争の激化、市場過熱リスクなどもあるでしょう。投資の際には、個別銘柄だけでなく、ETFなどで幅広いポートフォリオを組むことを検討してみてください。また、成長性だけでなく、収益性や競争優位性、規制対応力を持つ企業に注目することが成功の鍵となります。
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