はじめに
12月末までに、ふるさと納税を利用しよう
ふるさと納税は、応援したい都道府県や市町村への「寄附」をする制度です。原則として自己負担額は2000円だけ、それを超えた寄附は、所得税・個人住民税から控除されます。寄附する自治体は、自由に選ぶことができ、その自治体からは、地域に貢献したお礼として、名産品や特産品をもらうことができます。なお、ふるさと納税の上限は、ふるさと納税を行う本人の給与収入、家族構成などにより限度額が決まっています。
この限度額は、2025年分の年収が対象になります。年末ギリギリにならないと正確な年収を確定することは難しいかもしれませんが、前年の概算などを参考に、ポータルサイトなどで上限額をシミュレーションしておきましょう。
また、2025年10月からはふるさと納税の「ポイント還元」が廃止されます。これまで楽天ふるさと納税やさとふる、ふるさとチョイスなどのポータルサイト経由で寄附をするとポイントがもらえましたが、総務省の見直しにより、この仕組みが終了します。ポイント還元を活用するなら、10月までに上限額の6~7割を利用しておくのも一つの方法です。
なお、ふるさと納税をした後、寄附金控除を受けるには確定申告が必要です。しかし、確定申告が面倒という方は「ワンストップ特例制度」を利用すれば、ふるさと納税をした後に確定申告をしなくても寄附金控除が受けられます。ワンストップ特例制度は、1年間の寄附先が5自治体以内という条件があるので注意しましょう。
ワンストップ特例制度を受けるには、「寄附金税額控除に係る申告特例申請書」に必要事項を記入して、期限までに寄附する自治体に提出する必要があります。
12月末までに、NISA利用者やった方がいい3つのポイント
NISA口座を利用している人は、年末までに以下の3つのポイントをチェックしましょう。
①12月末までに、NISA(少額投資非課税制度)枠を使い切る
NISAは、投資の利益を非課税にできる制度です。2024年からの新しいNISAは非課税期間が無期限となりましたが、年間投資枠は次のとおり決まっています。
・「つみたて投資枠」であれば年間120万円
・「成長投資枠」であれば年間240万円
2つを合計すると年間360万円もの投資枠があります。ただし、年間投資枠については利用期限が1年間と決まっており、翌年に繰り越せません。資金に余裕がある方は、計画的に利用して、非課税メリットを最大限に活用しましょう。
②NISA口座でも「損切り」
NISA口座は、損益通算(他の投資での利益や損失と相殺すること)や繰越控除(損失を翌年に持ち越して控除すること)はできません。
しかし、保有している銘柄の業績が悪化したり、ネガティブなニュースが広まったりすると、先々において株価が下がる可能性があります。もし、中長期で利益を狙うのが難しいと判断するものがあれば、早めに売却(損切り)して、有望な銘柄に資金を移すことを検討しましょう。これにより、「早く乗り換えていれば得られたはずの利益を逃す」といった機会損失を防げます。
非課税投資枠の計算は取引の「受渡日ベース」で行われます。年末までに売却を検討する場合、取引が年内に完了するよう注意してください。
③旧NISAの非課税期間が終わる場合の対策
旧NISA制度(2023年まで)では「非課税保有期間」がありました。一般NISAでは「5年」、つみたてNISAでは「20年間」です。2024年以降も旧NISAで購入した商品は、非課税保有期間中は引き続き非課税で保有できますが、期間が終了すると課税口座(特定口座や一般口座)に移されます。このとき、移されるまでの運用利益には税金はかかりませんが、移された後に得た利益には課税されます。そのため、旧NISAの非課税保有期間が終了する前に売却して、改めてNISAで買い直すことを検討しましょう。