はじめに
短期的な視点と長期的な視点で考える
まず、短期的には株価は下落することが予想できるため、保有株をいったん売却することを検討します。一部のみ売却して、短期的な下落のダメージを和らげるのもよいでしょう。その上で、長期的な視点で、MTGの再発防止策や、ガバナンス改善に信頼が持てるかを見極める必要があります。さらに、この不祥事が、ほんの一端で、追加の隠れた問題がないかどうかを確認することは非常に重要です。買い増しや、新規購入を考えるのであれば、調査結果が公表されるまで様子見するのが賢明です。
当社は、12月23日に株主総会を行いました。ここで、今回の不祥事についてなんらかの報告があると予想できますので、株主であれば、総会に出席して確かめるのがベストです。会場が名古屋のため、わたしは参加できませんでしたが、参加した投資家さんによると、社長は冒頭に株主からの質問にはすべて答えると発言。実際に、厳しい質問にも真摯に回答したそうです。
株価は、株主総会後に、いちだんと上昇の角度を強めていることから、注目していた投資家は多かったようです。
明けて1月6日、あらためて2024年9月期の有価証券報告書の提出期限が、3月7日まで延長されるとの発表がありました。これは事前に分かっていたことなので、株価の反応は限定的でした。
今回、株価が比較的早く回復に向かったのは、当社の業績が堅調であることが大きいと思います。下がってきたところで、買いたいと待っていた投資家にとっては、絶好の買い場になりました。不正会計については、あってはいけないことですが、影響があるのはすでに着地した過去の数字です。新年度予想が堅調であることに目を向ければ、変わらず魅力的な投資先であることは間違いありません。
慎重に考えるならば、次回発表の第1四半期決算まで待って、今期が予想通りに進捗しているか確認をしてから投資を検討してもよいでしょう。わざわざ不安の種がある銘柄を選ばなくても、ほかにもたくさん魅力的な銘柄はあります。
不祥事のニュースは投資家の良い教材
不祥事のニュースは、事前に予想するのが難しく、また実際に発表されてからの株価パターンもさまざまで、まさに投資家泣かせです。その都度、情報を精査し、どのくらい業績に影響するか、どのくらいの期間長引くか、などを熟考するしかありません。
ただし、そういった経験を重ねていくことで、買っていい場合と、ダメな場合の仕分けの精度が上がってきます。
保有株に限らず、不祥事のニュースがあった際にそういった分析を続けることで、大きなチャンスを掴める可能性が広がります。投資家としてステップアップするための教材と捉えてみてはいかがでしょう?
※本記事は投資助言や個別の銘柄の売買を推奨するものではありません。投資にあたっての最終決定はご自身の判断でお願いします。
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