はじめに
米国市場は2024年12月以降S&P500やナスダック指数が過去最高値を更新し非常に堅調な動きとなっています。
「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」の信託報酬が引き下げ
米国市場の時価総額は全世界の50%を占めています。ちなみに日本市場の時価総額はわずか5%です。アップル、エヌビディア、マイクロソフトの時価総額は3兆ドルを超え、テスラは1兆ドルに返り咲きました。半導体やソフトウェアの製造販売で有名なブロードコムも1兆ドル企業へと成長しました。
このような背景から米株に注目している国内投資家が年々増加しています。そのような背景からか、三菱UFJアセットマネジメントは2025年1月25日(土)より「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」の信託報酬(残高に基づく手数料)を年0.08140%以下に引き下げることを発表しました。eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)の信託報酬は1月9日(木)現在、純資産残高に応じて年0.09240〜0.09372%の間で変動する設定ですが、これを年0.07568%〜0.08140%に変更します。
指数連動型投信の信託報酬は年々下がっていて、信託報酬の引き下げの競争が過熱してきています。信託報酬とは投資信託の運用などにかかる手数料を指します。年間でかかってくるコストを日割り換算して、毎日自動的に引かれる仕組みです。計算方法は投資信託の純資産残高に対して設定されている年率をかけて算出します。投資信託を保有している限り日々支払う金額です。つまり投資をしている人からすると、信託報酬はなるべく低い設定の方が得になります。
同投信の純資産残高は直近で6兆円超となっていて、国内最大級です。規模の大きさを強みに投資家のコストを引き下げ、残高のさらなる積み上げを目指す意向です。これまで三菱UFJアセットは「業界最低水準の運用コストを将来にわたってめざし続ける」ことをコンセプトに掲げ「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」や「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」を率先して販売してきました。今回は「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」と同様に人気が高い「オルカン」と呼ばれる「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」の信託報酬(0.05753〜0.05775%)は現行のまま据え置くとしています。
投資信託の種類によって信託報酬は異なりますが、年0.5~2.0%程度が主流です。一般的に特定の指数への連動を目指すインデックスファンドの方が、ファンドマネージャーの手腕が問われるアクティブファンドより信託報酬が低い傾向があります。
前号でお伝えした、元お笑い芸人の井村俊哉氏と東京大学投資サークルOBの竹入敬蔵氏の個人投資家コンビが代表を務める株式会社Kaihouが運用助言を行う「fundnote日本株Kaihouファンド」は年1.87%(税込み)の信託報酬のほか、実績報酬を徴収するとしています。