はじめに
多様な働き方が認められるようになり、会社員で副業収入を得ている人も増加傾向にあります。副業で収入が増えることは、生活にゆとりをもたらしてくれますが、確定申告についてはおさえておくべきポイントになります。
今回は副業で収入を得ている45歳会社員を事例に、会社での年末調整との兼ね合いや確定申告の方法についてファイナンシャルプランナーが解説します。
「副業で収入を得ているけれどお金のことがわかりません」
会社員のAさん(45歳・男性)は、コロナ渦の影響で、本業の働き方がフルリモートになったことを機に、動画編集の副業を始めました。Aさんには、妻と2人の小学生の子どもがおり、これから必要になる教育費や自分たちの老後の足しになればと思い、得意の動画編集のスキルを使って副業を始めることにしました。副業を始めて3年目、1年間の副業所得(売上から経費を差し引いた金額)が、初めて20万円を超えました。
通常、給与所得者である会社員は、年末調整をすることで会社が本人に代わって申告をしてくれるため確定申告は不要です。しかし、給与を一ヶ所からもらっている人で、それ以外の副業による所得の合計額が20万円を超えている場合には確定申告が必要になります。
Aさんは、大学卒業後から会社勤めで、確定申告は住宅ローンを借りた時にしたきりです。どうすればいいのかわからず、会社員が副業で収入を得た場合の確定申告の流れについてFPに相談することにしました。
まずは、Aさんのプロフィールと収入の内訳を確認しましょう。
―家族構成
Aさん:45歳。会社員
Bさん:Aさんの妻。パート(Aさんの扶養内で勤務)
子ども:中学生1年生と小学校4年生の2人
―Aさんの収入内訳
会社員の収入:年500万円
※税金や社会保険料が引かれる前の給与、賞与等の合計金額
動画編集の副業収入:年50万円(経費が引かれる前の売上金額)
動画編集の副業所得:年30万円(経費20万円を差し引いた金額)