はじめに
日本証券業協会が1月23日、証券会社 10社(大手5社・ネット5社)の2024年12月末時点におけるNISA口座の開設・利用状況の調査結果を公表しました。2024年(1~12月累計)のNISA口座の「成長投資枠」と「つみたて投資枠」をあわせた買い付け額は12兆8363億円で、前年の3兆4252億円に比べて3.7倍となり、勢いを感じる結果となりました。
買付額上位の業種とは?
2024年1~12月のNISA口座開設件数は約343万件で、2023年1~12月の約235万件と比較すると約1.5倍になっていることが分かりました。2024年12月の口座開設件数は前月より2万件多い14万件でした。増加数は新NISA開始直前にあたる1年前の25万件に比べると少なく感じますが、それでも多くの人が開設しているのがわかります。単月ベースでは口座開設件数は新NISA開始直後の2024年1月が73万件となり過去最も多い開設数です。
2024年1~12月における買付額は、成長投資枠で約9.1兆円、つみたて投資枠で約3.8兆円でした。2023年1~12月の買付額と比較すると、成長投資枠で約4.1倍、つみたて投資枠で約3.1倍という結果でした。
2024年1~12月のNISA買付額を2023年と比較すると、成長投資枠(一般NISA)の買付額がNISA全体の買付額に占める割合は65%→71%となり6ポイント増加しました。投資信託の買付額が成長投資枠での買付額に占める割合は29%→42%で13ポイント増加し、NISA全体の買付額に対する投資信託の割合は54%→59%で5ポイント増加しています。
2024年12月の単月ベースにおいて、成長投資枠での株式買付額上位10銘柄は国内株で占められています。業種はサービス業が2銘柄、その他では卸売業、食料品、輸送用機器、情報・通信業、不動産業、鉱業、銀行業、電気機器が各1銘柄となっています。
2024年1月から刷新した新NISAは歴史的な株高が追い風となり、口座の活用が増え個人による投資額が着々と増えています。以前に比べて、テレビCMは企業PRが増えているように感じます。商品CMはこれまで通りですが、企業が社会的に担っている活動を伝えるなど、イメージアップを主軸にしている内容も目立ちます。これだけ個人投資家が増えている現状を踏まえると、このような傾向になるのも納得です。