はじめに
投資をするなら少しでも優良な企業を選びたい方は多いと思います。「配当貴族」「配当王」と呼ばれる企業をご存知でしょうか。25年以上連続増配すると「配当貴族」、50年以上連続増配すると「配当王」と呼ばれます。
S&P500配当貴族指数とは
米国のS&P500配当貴族指数はS&P500指数の構成銘柄のうち「25年以上連続して配当を増やし続けてきた企業」で構成される指数です。具体的な条件として以下の内容が必須です。
- S&P500の構成銘柄であること
- 25年以上連続で増配していること
- 時価総額が30億米ドル以上であること
- 流動性が高いこと
2024年10月現在、連続増配年数の平均は約43年で構成銘柄の時価総額の合計は約6.6兆米ドル、66銘柄で構成されています(出典:野村アセットマネジメント)。
ベースとなるS&P500指数から外れたり、一度でも配当金を減配などしたりした場合は除外となります。
この指数の構成銘柄であるということは、とても厳しい条件をクリアしていて選びぬかれた精鋭たちといえます。
算出方法は均等加重で配当利回りは2.4%、業種別構成比は生活必需品が23.8%で最も多く、生活に欠かせない身近な銘柄が占めています。続いて資本財・サービス23.4%、素材12.1%となっています。
比較対象としてS&P500指数を見てみると米国の時価総額の大きい主要500社で構成されています。算出方法は時価総額加重平均、配当利回りは1.3%です。
業種別構成比は情報技術が31.7%、代表的な企業としてアップル、マイクロソフト、エヌビディアが上げられます。続いて金融が13.4%、ヘルスケアが11.2%です。2002年以降、S&P 500配当貴族指数は、主要な米国株式指数と比べて、下落局面に強い結果を示しています。下落抑制力が長期的にはパフォーマンスの向上に繋がっています。
また、1989年12月末から2024年10月末では、 ナスダック総合指数と同程度のリターンとなっていて投資効率も高いといえるでしょう。S&P500配当貴族指数の保有期間別のリターン比較をみると、長期間保有するほどリターンがマイナスとなる回数が減り、10年間保有ではすべての期間でプラスリターンとなり長期投資の効果がみられます。