はじめに

1億円あれば利回りだけで生活費を賄える?

では1億円を貯めた後、この資産を年間8%で運用しながら、全国の2人以上の世帯の平均生活費約30万円 (令和6年の総務省「家計調査」より)を毎月引き出した場合、資産はどのようになるのか考えると…1億円あれば利回りだけで800万円ですから30万円×12カ月の360万円の生活費はそれだけで賄えるどころか増えていく計算となりますね。

インフレで必要な生活費が上がっていたとしても多少ゆとりのある生活ができそうですし、運用を継続しながら生活費を引き出すことで、老後を豊かに過ごしながら元本を減らさない、さらには増やすことが可能となります。資産が増えた段階でより安定した資産配分(債券比率を高めるなど)に変更するなどしてリスクを抑えながら安定したリターンを得ることも検討しても良いと思います。

富裕層の投資戦略

富裕層を目指す場合の投資戦略も考えておきましょう。

最も重要なのは、資産の分散です。一般の個人投資家が株式や投資信託に偏りがちなのに対し、富裕層は多様な資産に分散投資を行います。

株式市場への投資は欠かせませんが、私の周りの資産家の方はNISAはオルカンだけという投資戦略をとっている方も多い印象です(忙しい方が多いからというのもありそうですが)。ただ、単にインデックスファンドを購入するだけではなく、あくまでNISAはオルカンで、それ以外に個別株のポートフォリオを組み、成長企業や配当利回りの高い企業にバランスよく投資していると感じます。

また売買の際は流動性や時価総額をより意識していることも特徴。ESG(環境・社会・ガバナンス)投資の観点から、持続可能な成長を見込める企業を選ぶ傾向もあります。

富裕層のリスクヘッジ

資産の一部を比較的リスクの低い債券やオルタナティブ投資(プライベートエクイティ、不動産、ヘッジファンドなど)に配分している方もいます。

ほかに高級住宅、オフィスビル、商業施設、ホテルなどの不動産投資は、富裕層にとって安定した収益を確保できる手段の一つです。特に都心部や海外の不動産を所有することによってインカムゲインとキャピタルゲインの両方を狙うケースが多く見られます。

加えて保守的な場合は金やプラチナなどの貴金属、攻めの姿勢の方はビットコインをはじめとする仮想通貨にも投資を行い、インフレや通貨リスクに備える傾向があります。

総じて富裕層は投資においてリスク管理を最優先に考えているようです。市場のボラティリティが高まった際には、キャッシュポジションを増やし、安定した運用を維持します。市場の下落に備え、オプション取引や空売りを活用することもあります。

また、異なる資産クラスに投資することで、市場変動の影響を最小限に抑えます。全資産を投資に回さず、常に一定割合のキャッシュを保持しておくのも富裕層の特徴です。これは、急な投資機会が訪れた際に迅速に対応できるようにするためです。このような投資への考え方は不確実性が高まる時代に富裕層を目指す投資家にも参考になるのではないでしょうか。

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