はじめに
米国債の種類と特徴
米国債投資を検討する際は、まず以下のような種類と特徴を理解しておく必要があります。
1. 利付債と割引債の違い
利付債:
・定期的に利子(クーポン)が支払われます。
・通常、額面で発行され、満期時に額面金額で償還されます。
・年に1回、2回など、定期的に利子が支払われます。
・利子の受取りは円貨または外貨で選択可能です。
割引債(ゼロクーポン債、ストリップス債などとも呼ばれます):
・利子の支払いがなく、額面より低い価格で発行されます。
・満期時に額面金額で償還され、購入価格と償還価格の差が利益(償還差益)となります。
・複利効果を享受できる可能性があります。
2. 新発債と既発債の違い
新発債:
・政府が新たに発行する債券です。
・額面金額で募集が行われ、最終利回りも固定されます。
既発債:
・すでに発行され、流通市場で取引されている債券です。
・価格は流通市場のバランスで決まるため日々変動し、最終利回りも変動します。
・購入時には、直前の利払い日からの経過利子(既経過利子)を支払う必要があります。
・新発債に比べ品揃えが多く、比較的容易に購入可能です。
一般的に個人投資家が購入する米国債券の多くは既発債券になります。年金の上乗せとして活用する場合、利付債がより適していると考えられます。その理由は、定期的な収入が得られるため生活費の補てんに適しており、将来の利子収入を事前に計算できるため、収支計画を立てやすいからです。