はじめに

やはり重要な「定期健診」

若い女性著名人ががんに罹患したニュースが流れると、「定期健診を受けていたのにがんが見つからなかった」という形で報じられることがよくあります。そこで厚生労働省統計の以下の表を見てみましょう。

乳がん発見時において(図4)、発見のきっかけとして最も多いのは「自己発見」です。不意に体の異常が所見され、近所の医療機関を受診したら大学病院へ案内され、がん告知へと繋がった、という話を聞きます。

この自己発見が35歳未満で約87%に及びます。35歳未満において残りの約13%、35歳以上においても約25%が「がん」を見つけるきっかけが、この「定期健診」です。

定期健診は会社員や公務員の場合、主に職場主体で行われます。また、会社規模が小さく、がん検診など健康診断の開催が難しい場合は、健康保険制度を統括している全国健康保険協会などが実施している健康保険をご利用するのがいいかもしれません。

(出典:厚生労働省 若年乳がん患者のサバイバープログラム

健康診断を事業として行っている企業も多くあります。ほかの方法に比べて受診料は少し割高になりますが、高性能でキレイな設備で診断を受けることができます。また、このように健康診断をビジネスとして行っている企業は「時間の融通が利く」ため、土日に仕事が休みの社会人も時間調整に苦労することがないでしょう。

また、最近は特にがん検診において、都道府県や市町村が実施主体となったものも増えてきています。このように自治体で行われるものは廉価のものが多く、「お金がないのでがん検診受けられない」と諦めることのないようにしましょう。

乳がんに対しての検診を勧めるキャンペーンは、「ピンクリボン運動」と名付けられ、著名人も多く賛同する大きな波になってきました。

(参考:日本乳がんピンクリボン運動


よくいわれますが、がんは進行の段階(ステージはゼロからⅠ、Ⅱ、Ⅲ、Ⅳと5段階にわかれています)によって生存率も高まりますし、治療法も大きく変わります。がんと向き合う最大の「武器」は、「早期発見」といわれているくらいです。確かにがん検診や人間ドックはお金がかかりますが、いざがんになったときの治療費は前述したとおり、とても高額の治療費がかかります。がん保険でしっかりと対策していても、大きな自己負担は生じてしまうでしょう。

年齢が若いからと、がんに対して必要以上に油断して無防備になるのではなく、また反対に、必要以上に神経質になるのではなく。確率的には低いのかもしれないが、20代や30代でもがんになる可能性はある、と捉えて、的確な対策をするようにしたいものですね。

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