はじめに

お金が貯まる人か貯まらない人かどうかは、使う言葉によってわかることがよくあります。

今回は「どうせ」という言葉の使い方です。

さて、あなたはどのように使っているでしょうか。ぜひチェックしてみてください。


お金が貯まるか貯まらないかは、「言葉」の使い方でも違う

筆者は仕事柄、さまざまな人とお金の話をすることがあります。

お金が貯まらないご相談はもちろんのこと、お金が貯まる人、貯まらない人への取材も多く行っているため、貯まる人と貯まらない人、それぞれで言葉の使い方が異なると日々実感しています。

「お金が貯まる思考だから、その言葉をよく使う」のか、それとも「その言葉をよく使うから、お金が貯まる」のか、どちらが先かはわかりませんが。一定の傾向があるのです。

そこで今回は、「どうせ」の使い方の違いについて、ご紹介していきます。

お金が貯まらない人の「どうせ」の使い方

お金が貯まらない人は、このように使うケースが多いです。

●「どうせ」貯めるのが苦手だから

自分は、本当はお金を貯められるポテンシャルがあるのに、「どうせ」とあきらめてしまっているパターンです。

お金を貯めるにはさまざまな方法がありますが、「不要な支出を見つけて削る」だけでも、無数の方法があります(スマホ代を下げたり、毎日のちょっとした習慣を改めてみたり、など)。

「どうせ」貯めるのが苦手だからと思い込み、そう口に出してしまうと、まるで自己暗示にかかったかのように、それらの取り組みのチャンスを逃してしまいます。もったいないことです。

●「どうせ」国は何もしてくれないから

昔に比べると、税金や社会保険料がアップして、家計を圧迫していることは事実でしょう。特に最近は物価高もありますし、“国”といった言葉にあらわされるような政府や行政に対して、いろいろな不満を感じることもあるかもしれません。しかし、意外と“国”は、ある程度のセーフティーネットを用意してくれています。

例えば、先日大きな話題になった「高額療養費制度」です。健康保険に加入していれば、毎月一定額の医療費を超えた際に、年収や年齢に応じて、お金が戻ってくる(自己負担額の上限が決められている)うれしい制度があります。この限度額を高くして、負担額が増える案が出てきましたが、一旦それはなくなり、ほっとした方も多いでしょう。これは、日本で誇れる大きな制度だと感じます。

少し前に、アメリカから我が家に高校生がホームステイに来たのですが、わが子たちが(入院するほど大きなケガや病気などではなく)病院にいったときに、「日本はそんなに気軽に医療を受けられるんだ」と驚いていました。その高校生は、「何かあっても基本的には病院にはあまり行かない。薬局で薬を買って、飲んで家で寝ている」と話していました。

彼がアメリカに帰って、スポーツでケガをして手術・入院をした際には、数十万円の大きな費用がかかるともいっていました。「日本では、一般的な収入なら1か月9万円ほどの自己負担で済む(=高額療養費制度があるため)」と伝えると、これまた驚いていました。

もちろん、さまざまな制度は、時代の流れにあわせて改善すべきですが、国民が安全に生活していくための工夫が日本にもたくさんあることは、他国の話を知れば知るほど実感します。

●「どうせ」少し貯めても意味がない

貯蓄が苦手な人が貯めようと思ったときに、数百円、数千円くらい貯めても焼け石に水で意味がない、と感じる話をよく聞きます。

300円くらいのお金をムダに使っていることがわかっても、「どうせ、少し貯めても意味がないし」と、ちょこちょこと使いつづけるのです。しかし、300円という小さな金額に見えても、回数を重ねると思った以上に膨れ上がります。

1年365日、毎日300円を使うと、300円×365日=10万9500円です。2人家族なら年間20万円以上、4人家族なら40万円以上です。10年たてば、それぞれこの金額の10倍だと思うと、大きな金額で驚きますよね。

確かに「300円+300円+300円…」と足し算で考えると大きな金額にはならない気がしますが、毎日になると合計額が膨れ上がり、1年で10万円以上の金額になってしまうのです。

使いたい300円を我慢する必要はありませんが、何も考えずに習慣的に300円を支出しているようであれば、それを改めることでお金が貯まるようになるかもしれません。

以上のように、例を上げたらきりがありませんが、お金が貯まらない人は、「どうせ」の後に、自分自身のことや自分が身をおいている環境について、マイナスにとらえる言葉が出てきやすいのです。

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