はじめに
今回は長期投資家が見逃せない「コスト引き下げ」の動きについてお伝えします。
資産形成を目的とした長期投資において、投資家が特に注目すべきポイントの一つが「コスト」です。コストには、運用管理費用、経費率などが含まれます。なかでも運用期間中に毎年かかる「信託報酬」は、目に見えづらいにもかかわらず、投資成果に大きな影響を与えます。信託報酬は、ファンドの運用管理費用として保有している投資家から間接的に差し引かれるので、運用成績が同じでも信託報酬が高いファンドは実質的なリターンが低くなることになります。
10年単位で見れば万単位の差に…
たとえば100万円を年5%で運用した場合の差を比較してみると、信託報酬0.05%のファンドは10年で約162万円、20年で約263万円、30年で約426万円となります(5%-0.05%=4.95%で複利計算)。
一方で信託報酬0.01%のファンドは10年で約163万円、20年で約265万円、30年で約431万円です(5%-0.01%=4.99%で複利計算)。
わずかな違いのようにも見えますが、元本が大きくなったり期間が長くなるにつれてこの差はどんどん拡大します。しかも信託報酬は毎年確実にかかるものですので、最初に選ぶときに意識することが大切なわけです。
さて2025年も、複数の主要ファンド運用会社がコストの引き下げを発表し、投資家にとっては非常にポジティブな動きが続いています。
NISAで人気のeMAXIS Slimシリーズ
まず1月25日に個人投資家から大人気の三菱UFJアセットマネジメント「eMAXIS Slim」シリーズで、S&P500と全米のコストがどちらも下がったのはぜひ注目してください。もともとeMAXIS Slimシリーズは業界最低水準の低コストを追求しているファンドのシリーズですがコスト競争を受けてさらに下げてきました。この姿勢も人気の要因となっているのではないでしょうか。
【eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)】
米国大型株の動向を表すアメリカを代表する株価指数で、米国株式市場の時価総額の約80%をカバーしているS&P500に連動する王道ファンドとなっており、国内公募の投資信託で最大規模のファンドです。
旧コスト:0.09240%~0.09372%
新コスト:0.07568%~0.08140%
【eMAXIS Slim 全米株式】
MSCI USAインベスタブル・マーケット指数に連動し、米国の大型株から中小型株まで網羅しているファンドです。
旧コスト:0.09350%~0.09372%
新コスト:0.07700%~0.08140%