はじめに
住宅ローンの借り換えを考えたことはありますか?
金利の上昇に伴い、住宅ローンの借り換えを検討する人が増えています。金利上昇局面においては、各金融機関で住宅ローンの金利施策に方向性の違いが出ることがあります。このタイミングで戦略的に住宅ローンの獲得を狙っている金融機関は金利を下げることもあり、その場合は借り換えのチャンスといえるでしょう。
借り換えには、総返済額の削減や月々の返済額負担軽減といったメリットがある一方で、保証料や事務手数料、登記費用など諸費用の発生、審査の再申込など注意すべき点もあります。本記事では、借り換えに適したタイミングの目安と、また、借り換え時の注意点について詳しく解説していきます。
住宅ローン借り換えに適したタイミング
住宅ローンの借り換えを検討する際、適切なタイミングを見極めることが重要です。一般的には、以下の3つの条件が揃っていれば、借り換えを検討するタイミングだといわれています。
1. 金利差0.3%以上
現在の住宅ローン金利と、借り換え先の金利に0.3%以上の差があることが目安となります。例えば、現在の金利が1.5%で、借り換え先の金利が1.2%以下であれば、借り換えを検討する価値があります。金利差が0.3%以上あれば、借り換えにかかる諸費用を考慮しても、総返済額の削減効果が期待できます。
2. ローン残高1,000万円以上
ローン残高が1,000万円以上あることが借り換えの目安とされています。これは、借り換えにかかる諸費用を考慮した場合、ある程度のローン残高がないと借り換えのメリットが薄れてしまうためです。ただし、ローン残高が1,000万円未満でも、金利差が大きい場合や返済期間が長い場合は、借り換えのメリットが出る可能性があることも覚えておきましょう。
3. 残りの返済期間10年以上
借り換えの効果を最大限に得るためには、ある程度の返済期間が残っていることが重要です。一般的に、残りの返済期間が10年以上あることが目安とされています。
返済期間が短いと、借り換えによる金利低下の恩恵を受ける期間が限られてしまい、諸費用を考慮すると借り換えのメリットが薄れる可能性があります。特に、返済期間が5年以下の場合は、借り換えの効果が限られることが多いです。
借り換えを検討する際のシミュレーション
具体的な数値例を使って、借り換えの効果を見てみましょう。
現在の返済額
・月々の返済額:126,826円
・30年間の総返済額:45,657,446円
借り換え後の返済額
・月々の返済額:119,675円
・30年間の総返済額:43,083,107円
借り換えの効果
・月々の返済額の減少:7,151円
・総返済額の削減:2,574,339円
諸費用を考慮した実質的な効果
・諸費用を100万円と仮定
・実質的な総返済額の削減:1,574,339円
このシミュレーションでは、諸費用を考慮しても150万円以上の削減効果が見込めます。ただし、これはあくまで一例であり、実際の効果は個々の状況によって異なります。借り換えを検討する際は、自身の状況に基づいたシミュレーションを行うことが重要です。
借り換えの際には、複数の金融機関でのシミュレーションを比較することでより良い条件を見つけることができます。複数の金融機関で事前審査を行うことも問題ないため、比較すると良いでしょう。