はじめに
借り換えのメリット
住宅ローンの借り換えには、以下のようなメリットがあります。
1. 総返済額の削減
借り換えによって金利が下がれば、ローン全体の返済総額を減らすことができます。例えば、借入残高4,000万円、残り返済期間30年の住宅ローンを、金利0.9%から0.5%に借り換えた場合、250万円程度の返済総額の削減、諸費用を含めても150万円程度の削減効果が見込めます。このような削減効果は、将来の資産形成や生活設計にプラスの影響を与えるでしょう。
2. 月々の返済負担の軽減
金利が下がることで、月々の返済額も減少します。上記の例では、月々の返済額が約6,800円減少します。減少分を生活費や投資、貯蓄に回すことで、より柔軟な家計運営が可能になります。月々の返済額が軽減されることで、他の資産運用や将来の計画に資金を振り分ける余裕が生まれます。例えば、子供の教育費や老後資金の積立などに活用できます。
3. 最新の団信に乗り換えられる
住宅ローン市場では金融機関間の競争が激しく、団信の商品性は日々強化されています。借り換えにより、最新の商品性を備えた住宅ローンに乗り換えることで、団信の保障内容を最新のものに更新できます。借り換えを検討する際は、金利だけでなく、団信の保障内容も重要な比較ポイントとして考慮することが大切です。
借り換え時の注意点
借り換えにはメリットがある一方で、以下のような注意点もあります。
1. 諸費用の発生
借り換えの際には、新たに住宅ローンを組むのと同様の諸費用が発生します。主な費用としては、保証料、事務手数料、登記費用などがあり、合計で100万円程度かかることもあります。これらの費用は、借り換えによる金利低下のメリットを相殺してしまう可能性があるため、シミュレーションを行い、諸費用を含めても借り換えすることにメリットがあるかどうかを十分に確認する必要があります。
2. 審査の再申込
借り換えの際には、新たに金融機関の審査を受ける必要があります。この審査では、現在の年収や勤務先、他の借入状況などが確認されます。最初に住宅ローンを組んだ時と比べて、収入が減少していたり、他の借入が増えていたりすると、審査に通らない可能性もあります。特に、現在のローンについては支払いが遅れないように注意が必要です。支払い遅延があると、審査に悪影響を与えてしまうため、借り換えを検討する前に支払い状況を整理しておくことが重要です。
3. 繰り上げ返済計画を考慮したシミュレーション
借り換えを検討する際、見落としがちなポイントとして「繰り上げ返済の計画」があります。将来的に退職金や相続金などを活用して繰り上げ返済を行う予定の方もいるでしょう。このような計画がある場合、借り換えのシミュレーションにもそれを反映させることが重要です。例えば、残り返済期間が20年の住宅ローンを5年後に繰り上げ返済で完済を予定している場合、完済までの5年間で支払う金額を比較する必要があります。借り換えによって金利が下がっても、繰り上げ返済により完済までの期間が短くなると、借り換えのメリットが薄れてしまうからです。