はじめに

家を買った後家計が苦しい。将来が不安。家を買った後、このような状態に陥っている方が家を買う前に必ずといっていいほどやっていないことがあります。

それは、「家にかけられる予算」と「返せるローン予算」を確認していないことです。

この2つを確認するためにはどのような準備とプロセスが必要なのでしょうか? あなたも家を買ってから不安定な状態に陥ってしまわないように、一緒に確認していきましょう。


家にかけられる予算を確認する

家にかけられる予算を確認するために、必要なことは以下の5つです。

  • 現在の家計・資産状況の確認
  • キャリアプランの確認
  • ライフプランの確認
  • 将来の家計・資産状況の投影
  • 必要な資産形成計画の確認

わたしたちはふだんの暮らしの中でさまざまなものやサービスにお金をつかって生活しています。しかし、使えるお金には限りがあるため、上手にお金を使うには、それぞれの使い道ごとの予算をおおまかでいいので決めておくことが重要です。

まず必要なのは現在の手取り収入の確認です。家計管理の基本的なルールは、「収入の範囲でお金を使う」ことです。つまり、使える予算は最大でもご自身の手取り収入額が上限です。

次に確認したいのは、現在の支出状況とご自身のライフプラン、キャリアプランをふまえた将来の家計の未来予想図と必要な資産形成計画の確認です。長い時間軸でみた予算の上限がわかります。支出状況は最低でも1年以上の期間を見て確認することを心がけましょう。家計の未来予想図の大きな誤差を避けられます。

ライフプランやキャリアプランを実現するためには、お金が必要です。一方、リタイア後には大きな収入減少に直面する方も少なくありません。こういった資金を準備するためには、早いうちからこつこつ積み立てを行うことが必要です。

つまり、長い時間軸で考えたときの予算の上限は、収入から将来にそなえる必要なつみたて額を差し引いた後の金額となります。家の予算はこの予算の中から捻出します。持ち家のコストは生涯にわたって必要になるためです。

使えるお金には限りがあるため、積み立てをふまえると、必要に応じて今使えるお金や家の予算、その他これからかかる予算を削るといったアクションが必要になります。今使えるお金のうち、家の予算を取り過ぎると、必然的にその他に使える予算は少なくなります。

返せるローン予算を確認する

返済できるローン予算を確認するために必要なことは以下の3つです。

  • 家購入時の頭金・諸費用の確認
  • 全期間固定金利型で試算した利息額の確認
  • 家の維持・修繕費用の確認

家を買うと、住宅ローン返済だけではなく、生涯にわたってさまざまな費用が必要になります。理解しておかなければいけないのは、どの費用も基本的にすべて、自分のお財布から出すということです。

住宅ローンの返済は分割してできますが、だからといって総量が減るわけではありません。借りられる金額は、必要な持ち家のコストを家の予算から差し引いて計算する必要があります。

例えば、家を購入する際には、頭金の他、いわゆる「諸費用」が必要です。住宅ローン事務手数料や保証料、印紙税や登記費用、仲介手数料やつなぎ融資手数料、火災・地震保険料などがあります。

住宅ローンの返済にともなって必要になる費用は、利息の支払い、団信金利の支払いです。利息額は全期間固定金利型の住宅ローンを借入れたと仮定して試算します。変動金利型にする場合も同様です。なぜなら、現時点で完済時に見込まれる金利水準を投影しているのが、全期間固定金利型の金利だからです。

家の購入後は住宅ローンの返済とは別に、火災保険料や地震保険料、修繕費用といった維持費の支払いも定期的に必要となります。これらの費用は、立地によって必要な金額に大きな差がでる可能性があります。最近は自然災害の多発や人手不足、物価高の影響を受け、値上がりが顕著です。

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