はじめに

高齢者になっても働くことで健康になれる

では、働き続けることは、本当に健康の維持につながるのか?をデータで見ていきましょう。

厚生労働省「中高年者横断調査(2018年)」の中に、就業行動別の健康改善率を示したデータがあります。働いている人(就業者)と働いていない人(非就業者)で、健康な人の割合は、どう違うのかというと、一貫して就業者の方が健康になっています。男性の割合は、50代では20%、60歳では10%くらい非就業者に比べて就業者の方が健康です。女性はおおむね5〜10%の割合です。

では、働くことがどのくらい健康に対してよいのかというと、50歳から70歳の前年に働いていた人と前年には働いていなかった人を比較することで、それがわかります。たとえば、前年に不健康だった人が翌年には健康になったという健康改善ができた人の割合を見てみると、非就業者が89.2%に対して、就業者は92%と健康改善率は上がっています。これは、働くことで毎日規則正しい生活を送れることが、健康につながる要因のひとつではないかと考えられます。

長く働くことは健康維持につながる結果が

先ほどの厚生労働省「中高年者横断調査(2018年)」の調査の中に、長く就労することで、長期的に健康を維持できるかという調査もあります。

これは、60歳時点で健康な男性が、60歳まで働いた場合、64歳まで働いた場合などで、健康をどこまで維持できるのかというデータです。いずれの調査でも、働いていない人と働いている人を比較すると、60代後半まで働いた人の方が、働いていない人に比べて健康維持確率は高い結果がでています。

多くの人が思っているように、「長く働くことは、健康によい」「働くことは老化を防ぐ」という認識は、間違っていないようです。

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