建材のiPhone X?「未来のドア」を作ったYKK APの思惑
鍵穴なし、顔認証で扉が開く
「未来のドア」と言われたら、どんなものを思い浮かべますか。アニメ「ドラえもん」に出てくる「どこでもドア」でしょうか。それとも、SF映画でよく見かける、近未来的なデザインのドアでしょうか。各人がさまざまなイメージを描く未来のドアを、建材大手のYKK APが実際の製品として開発。4月25日にコンセプトモデルを発表しました。同社が思い描く未来のドアとは、どんな製品なのでしょうか。そして、このドアを開発した狙いは、どこにあるのでしょうか。
イオン岡田氏も惚れた?「ビオセボン」出店加速の勝算
フランス発の有機商品スーパー
決算会見などでは報道陣の質問に対して素っ気ない回答をすることが多い、イオンの岡田元也社長。しかし、この日はいつになく饒舌でした。報道陣の囲み取材にも長時間にわたって対応し、店内もじっくり自らの目で視察して回りました。4月20日に岡田社長が訪れたのは、同日に開店した、フランス発のオーガニックスーパー「ビオセボン」の中目黒店。国内ではイオンと仏ビオセボンを傘下に持つマルネ&ファイナンス ヨーロッパの折半出資会社が展開しており、麻布十番店(2016年12月開店)に次ぐ2店舗目となります。1号店から2号店の出店まで1年半近くを要しましたが、今後は6月までの間に2店舗を新たにオープンさせ、出店を加速していく方針です。岡田社長はビオセボンの何にほれ込み、今から出店を加速させるのでしょうか。
発売60周年、「野球盤」はなぜ今も売れ続けているのか
玩具業界で異例のロングセラー
男性なら人生の中で一度は遊んだことがあるであろう「野球盤」。球場型のボードの上で、ピッチャーの投げた金属製のボールをバッターが打ち返し、シングルヒットや2塁打と書かれたポケットに飛ばすという、野球の醍醐味を詰め込んだボードゲームです。初代が登場したのは、今からちょうど60年前の1958年。玩具業界では異例のロングセラーとなっていて、「人生ゲーム」や「リカちゃん」を超える歴史を誇ります。今年は還暦を記念して、製造元のエポック社ではさまざまな新商品を発売する予定です。野球盤はなぜ、ここまでのロングセラーとなりえたのでしょうか。長年にわたって愛され続ける秘密をひも解いてみます。
SBIが音頭取り、“証券大連合”は日本の投資を変えるか
「証券コンソーシアム」が発足
「預貯金が個人金融資産の5割を占めているという大問題を解決する必要があります。そのための一番の手立ては、最先端の技術を取り入れること。さまざまな産業を巻き込んで、日本が誇るべき共創のコンソーシアムにしていきたい」4月19日に開かれた「証券コンソーシアム」発足に関する発表会。コンソーシアムの会長を務める、SBIホールディングスの北尾吉孝社長は強い決意を口にしました。35社が参画する形で発足したこのコンソーシアムとは、どんな組織で、具体的に何を目指していくのか。そして、その動きは国内の投資家に対してどのような影響を及ぼすのか、検証してみます。
ミニストップ、今年の「ハロハロ」が例年以上にアツい理由
宇治金時が復活、果実氷は大増産
1995年に誕生し、今やミニストップの代名詞にまで成長した、夏季限定スイーツ「ハロハロ」。今年も新商品が4月20日から順次発売されます。第1弾では、4年ぶりに復活した宇治抹茶フレーバーの「宇治抹茶あずき」が登場。第2弾としては、昨年大ヒットを記録した「果実氷いちご」が改良を重ねた新バージョンで発売されます。例年以上にアツいラインナップとなっている、今年のハロハロ。その背後に潜む、ミニストップの戦略を掘り下げてみます。
調達12億円、ヤマップ「登山アップデート構想」って何だ?
“1億総登山家計画”が進行中
まもなく本格的な春の登山シーズンを迎えます。大自然の中を1つの目標に向かって一心不乱に進む登山は、都会の喧騒に疲れた頭と心を大いにリフレッシュさせてくれます。そんな登山というアクティビティを“アップデート”しようという試みが始まりました。提唱するのは、登山アウトドア愛好家が集まるコミュニティ・プラットフォームで国内最大手の「ヤマップ」というベンチャー企業です。この試みに賛同し、同社に今回出資したのは、登山用品の小売りで国内最大手のICI石井スポーツなど14社。出資総額は約12億円に上ります。「日本の登山をアップデートする」という耳慣れないフレーズ。ヤマップは調達資金を使って、どんな事業ビジョンを描いているのでしょうか。
消費もブロックチェーン化?「メルカリ時代」の購買行動
消費者の目利きが試される時代に
4月16日の東京・渋谷。テック系企業のイベントが頻繁に開催されるイベントスペースに、大勢の聴衆が入っていきます。彼らのお目当ては、フリーマーケットアプリ大手のメルカリが開いたセミナー。お題は「消費変貌“売ることを前提にモノを買う”フリマアプリ時代の消費行動とは」です。もはや多くの若者にとって生活の一部のようになっている、メルカリをはじめとしたフリマアプリ。その存在は日本の消費にどのような影響を及ぼしているのでしょうか。イベントの模様を振り返る中から、「メルカリ時代」の購買行動を探ってみます。
ハロハロ欠品に泣いた「ミニストップ」、今期の挽回策は?
2017年度は最終赤字に転落
「残念ながら、就任1年目にお恥ずかしい数字となりました。営業利益は昨年を大きく下回り、特別損失22億円を計上し、当期純利益は9.5億円の赤字でご報告させていただきます」4月11日に開かれた、コンビニ国内4位のミニストップの決算説明会。昨年5月に社長に就任した藤本明裕氏は、こう反省の弁を語りました。日販(1日当たりの店舗売上高)が前期比1.5%伸びることで、経費の同3%増を吸収するという「楽観的な計画」(藤本社長)に対し、日販が想定を下回り、期中で経費削減に努めたものの、補うには至らなかったというのが藤本社長の説明です。具体的に、どんな誤算が生じたのでしょうか。そして、今年度はどうやって巻き返しを図るのでしょうか。ミニストップの戦略を掘り下げてみます。
有望ベンチャーに個人が出資、「エメラダ」の投資妙味
資産運用に新フェーズ?
ベンチャー企業への投資といえば、ベンチャーキャピタル(ベンチャーへの出資に特化した投資ファンド、VC)やエンジェル投資家(創業まもない企業に出資する富裕層)に限られたもの。そんな認識を持っている方は多いかもしれません。しかし、近年は日本国内でも株式投資型のクラウドファンディング(CF)が複数登場。個人であっても、ベンチャー企業に投資することの可能な時代が到来しようとしています。その中でも特異な事業モデルで注目を集めているのが、2年前に設立された「エメラダ」です。いったいどんな特徴があり、投資妙味はいかほどなのか。最新案件を軸に探ってみます。
ICOが諸悪の根源? 金融庁「仮想通貨研究会」の行方
第1回会合を振り返る
4月10日に開かれた金融庁の「仮想通貨交換業等に関する研究会」の第1回会合。同庁の会議室は傍聴者や報道陣で超満員となり、仮想通貨に対する世間の関心の高さがうかがわれました。世間の耳目が集まる中、初回の会合ではどのような議論が展開されたのでしょうか。オブザーバーによる説明と会合メンバーから出された意見の要旨を振り返ってみます。
完全詳報!マネックス「コインチェック買収」会見全容
1時間の会見で何が語られたか
4月6日午後4時前。マネックスグループによるコインチェック(CC)の完全子会社化に関する会見が開かれるホテルオークラ東京の周辺は、灰色の雲が垂れ込めていました。これは、ただの偶然か、はたまた両社の今後を暗示するものなのか。この日の会見には、マネックスからは松本大CEO(最高経営責任者)、勝屋敏彦COO(最高執行責任者)が、CCからは和田晃一良社長、大塚雄介COOが出席しました。いったいどんな内容が語られたのか。7,000字超の完全詳報をお伝えします。
ミーツ国分寺が本日開業、「三越伊勢丹」の虎視眈々
地元密着型SCで狙うものは?
JR中央線の国分寺駅の改札を出て、左手に歩くこと数秒。駅北口の再開発ビルの1~4階部分で4月7日に開業するのが「ミーツ国分寺」です。内覧会が開催された同月5日は、開業に向けた最終準備が進められていました。この商業施設を運営するのは、百貨店大手の三越伊勢丹ホールディングス(HD)。同社はこれまでもアルタやラシックといったショッピングセンター(SC)を展開してきましたが、いずれも都心立地。郊外立地の地元密着型SCを運営するのは、今回が初となります。三越伊勢丹HDとして初の郊外型SCとは、どんな店舗なのでしょうか。そして、同社が初の試みに踏み出した背景には、何があるのでしょうか。経営幹部に取材しました。
議論は迷走ぎみ? 第3回「FX有識者検討会」の憂鬱
議題は“消費者保護”なのか
店頭FX(外国為替証拠金取引)業者の決済リスクへの対応について議論するため開催されている有識者検討会。その第3回会合が3月29日に金融庁で開かれました。検討会に先行する形で、昨年末から「FXのレバレッジを現在の最大25倍から同10倍に制限する方針」という報道が流れていますが、これまでにレポートしてきた通り、第1回、第2回の議論は、観測報道とは少し異なる展開を見せています。第3回の会合では、どのような議論が展開されたのでしょうか。
この4月に「変わり種ビール」の発売が相次ぐワケ
サッポロは“果皮の苦み”で勝負
4月から新年度に入り、さまざまな新制度や新サービスがスタートしています。その中の1つに、瓶ビールなど業務用ビールの値上げがあります。ビール好きには何とも残念な価格改定ですが、一方でビールを飲んでみたかったけれど、何だか手を出しにくかった人には朗報となるかもしれない動きも見られます。主要なビールメーカーがこぞって「変わり種ビール」の発売を予定しているのです。なぜ各社が相次いで新種のビールを売り出すのでしょうか。その背景をひも解いてみます。
キャッシュレス化に逆行?イオン「レジATM化」の思惑
まずは郊外・地方の43店で導入
本州・四国でイオン、イオンスタイルを展開しているイオンリテールが3月29日、レジで少額の現金を引き出すことのできる「キャッシュアウトサービス」を4月から開始する一部店舗を公表しました。政府主導で推し進めようとしているキャッシュレス化の動きとは正反対に映る、この取り組み。どのような狙いが潜んでいるのでしょうか。
新業態「プレイアトレ」は普通のアトレと何が違う?
自転車乗りの“聖地”になるか
東日本旅客鉄道(JR東日本)グループが展開している駅ビル「アトレ」。その新しい業態が3月29日、茨城県土浦市にオープンします。新業態の名称は「PLAYatre(プレイアトレ)」。既存のアトレ、アトレヴィとはまったく異なる新しいコンセプトで開発したという新業態は、既存業態とどう違うのでしょうか。
オフィスをアパレル店に変えた「アダストリア」の深謀
女性社員400人に洋服をプレゼント
「かわいい」「これもかわいい」――。3月20日の昼休み、大勢の20~30代の女性がたくさんの洋服を手に、鏡の前でコーディネートを見せ合っていました。約400着の洋服がかけられたスペースの横には、インスタ映えする試着写真を自撮りできるスペースも設置されています。その様子はさながら、百貨店などで開催されるアパレルショップの企画展示のようです。でも、この場所、実は東京・大手町のオフィスビルの一角。業界でも初めてだという、アパレルブランドがオフィスに出向く「出張クローゼット」は、どんな狙いで開催されたのでしょうか。
動き出す“空の産業革命”、「ドローン物流元年」の衝撃
ポート登録制度が今秋スタート
「高齢化、介護弱者、移動困難者……。こうした課題を解決しないと、地方自治体そのものの消滅が進む。先進技術を取り入れて、地方のモデル地域を作ることを期待しています」千葉市の幕張メッセで3月23日に開かれた記者会見。長野県伊那市の白鳥孝市長はそう言って、力を込めました。この日の会見のテーマは「ドローン物流、インフラ普及施策について」。そこで語られた“小さな一歩”は、日本の社会構造にどんなインパクトを及ぼすのでしょうか。