ドル円相場「年末にかけて円安進行」と見る3つの根拠
2018年後半の為替相場を展望
2018年もまもなく折り返し地点を迎えます。足元では1ドル=110円近辺でモミ合う動きとなっているドル円相場ですが、年明け間もない1月8日に今年前半の高値1ドル=113円40銭をつけた後、3月にかけて一方的なドル安と円高が進む場面がみられました。9円近い振れ幅があった今年前半のドル円相場の背景を振り返る中から、年後半の相場を読み解くヒントを展望してみたいと思います。
J-REITの中長期展望、東京五輪は転換点になるのか
金融環境と不動産市況をどう読む?
J-REIT(不動産投資信託)とは簡単に言えば、(1)投資家から資金を調達し、(2)不動産へ投資して賃貸するシンプルな事業体で、これが直接バランスシート(貸借対照表)の資金調達サイドと資産サイドとなります。今回は、この2つの側面から、J-REIT市場の中長期的な展望を概観します。
金融市場を揺るがす「南欧政治リスク」の実情
欧州危機は再来するのか
ここにきてイタリアなど南欧の政治リスクがにわかに注目を集め、ユーロの下押し圧力やリスク回避の円高材料となる場面がみられています。これまでの経緯と今後のポイントについて考えてみたいと思います。
REIT投信の資金流出問題は終わったか
構造的問題の整理と検証
昨年のREIT(不動産投資信託)市場は、好調なファンダメンタルズにも関わらず株価は低迷しました。この最大の背景は、J-REITで運用する投資信託(REIT投信)からの資金流出でした。資金流出は最近やや沈静化しています。この問題はでに過去のものとなったのでしょうか。
米10年国債利回り「3%台乗せ」とドル円相場の行方
2月にみられた混乱は再来するのか
4月24日のニューヨーク市場で、米10年国債利回りが4年3ヵ月ぶりに一時3%台に乗せる場面がみられました。この動きを受け、為替市場では当初、金利上昇を評価したドル買いが優勢となると、ドル円は2月前半以来の1ドル=109円台前半まで上昇しました。しかし、その後NYダウ平均株価が一時600ドルを超える下落となると、徐々にリスク回避の円買いが優勢となり、1ドル=108円台後半に押し戻される動きとなりました。この日のNYダウは最終的に420ドルほどの下落で終えており、「混乱」というほどではないものの、「比較的大きな下落」となりました。これが、2月にみられたような金利急上昇・株価急落・ボラティリティ急騰といった市場の混乱につながるのか、それとも冷静な反応に回帰していくのかが、今後のドル円相場の行方を決めるとみられます。
REITの分配金はどうなる?
利益構造からの整理と今後の見通し
REIT投資の魅力の1つに「高い分配金利回り」があります。分配金とは、株に置き換えると「配当」に当たるものです。今後の中長期的な分配金の見通しをどう考えればいいでしょうか。REITの商品性と分配金の原資となる利益構造を整理しつつ考察していきます。
1ドル=106円台を回復、円高ドル安は一巡したのか
「リスク回避」はいつまで続く?
3月22日、ドナルド・トランプ大統領が中国による知的財産権の侵害を理由に、中国からの輸入品に対して高関税をかける措置を発表すると、貿易戦争に対する懸念が強まって為替市場ではリスク回避の円高反応となりました。さらに翌23日には、ハーバート・マクマスター大統領補佐官(国家安全保障担当、写真左)の解任が伝えられ、後任に対外強硬派のジョン・ボルトン元国連大使が就任すると報じられたことがドル売り材料となると、ドル円は約1年4ヵ月ぶりの安値を断続的に更新。そのまま心理的節目の1ドル=105.00円も割り込んで、104.64円まで下落しました。足元、ドル円は106円台を回復し、ドル安円高傾向が一巡したようにも見受けられますが、この先のドル円相場について、どのように考えればいいのでしょうか。
今、REITは買い時か?
リスクとバリュエーションを再検証
東証REIT(不動産投資信託)指数は昨年1年間で6.8%のマイナス(配当込み)でした。TOPIX(東証株価指数)が22.2%のプラスであったのと比べて、大きく出遅れたといえます。一方、今年に入り、3月14日までの時点ではTOPIXが4.0%のマイナスと低迷する中で、REITは1.4%のプラスです。割安感から底堅く推移していますが、はたしてREITは今、買い時といえるのでしょうか。REITが保有する資産価値をベースに、今の投資価値を考えたいと思います。
米国金融市場の混乱と円高の行方
金利・株価の乱高下は今後収束へ?
2月半ばにかけて米10年国債利回りが約4年ぶりの2.9%台に急上昇し、NYダウ平均株価も1,000ドル単位の上げ下げを繰り返す中、為替市場ではリスク回避を理由に“安全通貨”とされる円やスイスフランが全面高となりました。この間、平常時ならばドル買い要因となりそうな強い米経済指標や米金利の上昇、円売り要因となりそうな黒田東彦・日本銀行総裁の続投による金融緩和継続期待などもありましたが、市場はこれらを材料視せず、ドル円も一方的なドル安円高が進むと、約1年3ヵ月ぶりとなる1ドル=105円台半ばまで下押す場面がみられました。いったい市場に何が起きたのでしょうか。そして、このような動きは今後も続くのでしょうか。