“平均寿命が過去最高”でも長生きが怖い…加齢や病気に対して、不安や嫌悪感が増している?
「健康寿命」を長くするのが人々の願い
7月末に厚生労働省から「2019 年簡易生命表」が公表され、平均寿命が男性81.41歳、女性87.45歳と、過去最高を更新したことがわかりました。しかし、このことを不安に感じる人の方が多いようです。平均寿命が延びても、「健康で生きている期間」が延びなくては、ありがた味がないというものです。高齢期における生活や、健康状態への不安は大きく、健康で生活できる期間を長くすることが人々の願いとなっています。「健康寿命」は、最近よく聞かれる言葉です。国では、健康寿命を「健康上の問題で日常生活が制限されることなく生活できる期間」と定義して政策を行っていることから、ここでも同じ定義を使って健康寿命の現状について紹介したいと思います。
認知機能の低下で老後の資産管理ができなくなる可能性、いつ頃から衰える?
どういう判断ができなくなるのか
「人生100年時代」と言われる超高齢社会を迎えようとしています。多くの方が老後にむけた貯蓄について考えているでしょう。ところが、実際その資産を取り崩すときには、認知機能が低下していて、自分が思い描いたようにお金を活用できない可能性があるのです。そればかりでなく、老後に向けた貯蓄が本格化するのは50代以降となる世帯がほとんどですが、加齢にともなって認知機能や判断能力が低下し、思ったような資産構築ができなくなる場合もあります。認知機能や判断能力はいつごろから衰えるのでしょうか。健康維持に努めるのはもちろんのこと、両親の老後、あるいは自分の老後に向けて、いま何をしたらよいのでしょうか。今回は、金融庁における金融審議会「市場ワーキング・グループ」の議論をもとに、認知機能と資産の管理能力について紹介します。
“不眠大国”日本の睡眠事情、女性の眠りを妨げる原因は?
世界で日本の平均睡眠時間はワーストワン
日本は睡眠時間が短い国として知られています。また、日本の労働時間が欧米と比べて長いことから、働きすぎが懸念され、長時間労働の是正が進んでいるほか、従業員の睡眠改善への取り組みを始めた企業もあります。現在、「寝ても疲れがとれない」というだけで病院に行く人は少ないかもしれません。しかし、不眠は、身体のあちこちに影響を与え、生活習慣病やメンタルヘルスへの悪影響を与えます。そこで今回は、日本の睡眠事情について男女差に着目しながら紹介します。
小学校1年生の交通事故が突出、GW明け下校時に要注意!
長い休み明けは事故が増える?
新年度が始まり、今年もおよそ100万人の新小学校1年生が誕生しました。行動範囲が急に広がり、友達同士で行動するようになるこの時期、気をつけなくてはいけないのが交通事故です。特に、小学校1年生は、他の学年と比べて突出して交通事故による死傷数が多く、少し学校生活に慣れてきた5月以降の休み明けに多いことが知られています。GW明けは、学校が始まる前にもう一度、一緒に通学路を確認するのがよいかもしれません。
いつになったら花粉が減る?花粉症対策のスギの植え替えが進まない!
今年の花粉量予測は例年より多め
いよいよ今年も花粉が舞うシーズンとなりました。花粉(スギ・ヒノキ)の飛散は、太平洋側の地域で2月上旬に始まり、今後、徐々に北上して4月には北海道(シラカバ)にまで到達する見込みです。花粉症の患者は増加しており、今では国民全体の3割とも4割とも言われています。対策として、スギやヒノキについて、花粉が少ない品種に植え替えを進めています。それにもかかわらず、毎年、「今年は例年に比べて飛散量が多い」というニュースばかりが目につきませんか?そして、実際、花粉の飛散量は増加傾向にあるのです。植え替えはどこまで進んだのでしょうか。いつになったら花粉が減るのでしょうか。今回は花粉症対策スギの植え替えについて紹介します。
インフルエンザ予防接種用のワクチンの種類はどう決まる?
インフルエンザワクチンの効用とは何か
今年も、インフルエンザが猛威をふるっています。各地で発令されたインフルエンザ警報は、解除されつつありますが、まだまだ注意が必要です。インフルエンザのシーズンになると、常に話題になるのが、予防接種を受けたか、今年のワクチンは当たった/外れた等の「ワクチン」の話題ではないでしょうか。そこで、今回は、インフルエンザワクチンに注目したいと思います。予測が外れたら、予防接種は効かないの?インフルエンザワクチンの効用とは?といった疑問についてもみてみましょう。
男性も家事や育児のストレスが増加、いまどき家庭事情とは?
育児時間は増えたが、育児実施率は…
現代の日本はストレス社会と言われており、職場や学校、家庭でストレスを抱える人が増えていると言われます。共働き世帯が増え、家計を担うのも、家事・育児をするのも夫婦で分かち合う時代となり、夫婦のストレスの感じ方はどう変わってきているのでしょうか。男女の家事・育児ストレスについてみてみます。
推奨されるがん検診は?どのぐらいの人が発見されているのか
がん検診受診率、目標の50%まで女性はあと10ポイント足りない
厚生労働省が、10月を「がん検診受診率50%達成に向けた集中キャンペーン月間」「乳がん月間」と定めていることをご存知でしょうか。現在、2人に1人が生涯でがんに罹患し、3人に1人ががんで亡くなっていると言われています。国は、がん対策として、主として「がん検診の受診率の向上」と「75歳未満のがんの年齢調整死亡率(※1)の減少」という2つの目標を立てています。特に、国民に向けては、がん検診の必要性の周知に力を入れています。WHO(世界保健機関)の「がん対策:知識を行動へ 効果的なプログラムのためのWHOガイド」によれば、およそ4割のがんは予防方法が知られており、がんの約3分の1は、早期発見や効果的な治療方法が知られているそうです。そこで、今回は、がん検診の現状について取り上げたいと思います。※1「年齢調整死亡率」とは、高齢化の影響等により年齢構成が異なる集団の間で死亡率を比較したり、同じ集団の死亡率の年次推移を見るため、集団全体の死亡率を基準となる集団の年齢構成(基準人口)に合わせた形で算出した死亡率のことです。
成人の「歯」は大丈夫?データでみるお口の健康
高齢者の残存歯、子供の虫歯は改善
「人は足から老いる」と言われます。年をとって足腰が弱ると、ケガをしやすくなったり、外出をしなくなったり、転倒による骨折が原因で要介護状態になってしまうこともあることが知られています。最近では、ウォーキングやトレーニングによって足腰を鍛える高齢者が増えています。では、「人は口から老いる」という言葉は聞いたことがあるでしょうか。歯や口の健康をおろそかにすると、噛む力や舌の動きが悪くなり、充分な栄養が摂れなくなることがあります。また、滑舌が悪くなったり話しにくくなることで、人との交流が減り、家に閉じこもりがちな生活を送るようになることがあります。特に、高齢期には、身体機能や社会性、精神性の低下をもたらす可能性がある深刻な問題です。現在、日本では、子供時代は虫歯の削減、成人以降は歯周病の予防、高齢者では残存歯数の増加に重点をおいて、歯や口腔ケアを推進しています。具体的に年代による歯の状況についてみていきましょう。
子供の骨折増加。骨が弱くなっている?その原因は
子供の骨の強さも二極化?オーバーユースと運動不足
ひと昔前まで、骨折のリスクと言えば、高齢者特有のものだと考えられてきたように思います。子供の場合は、男児や運動中の骨折が多いことから、活発な証拠、といった印象すらあったように思います。ところが、最近では、ちょっとしたことで子供が骨折するようになった、という話を聞きます。実際、どのぐらい子供の骨折は増えているのでしょうか。原因として、どういったことが考えられるのでしょうか。
熱中症による死亡者数が増加。そのワケとは?
熱中症死亡の8割は高齢者。救急搬送の半数は65歳未満
連日の猛暑によって、熱中症による救急搬送が増えています。消防庁の統計によると、6月以降およそ1万8000人が搬送されました。7/9~7/15の1週間を見ると、およそ9900人が搬送され、そのうち12人が亡くなっています。かつては、日射病対策として主に屋外に出るときの注意を呼び掛けることが多かったのですが、屋内であっても体温調整機能が働かず、体内に熱が溜まることによってさまざまな症状がおきることから、最近では「日射病」より広い意味をもつ「熱中症」への対策を呼び掛けています。
「はしかワクチン1回世代」は危険なの?
日本の予防接種制度は遅れ気味!?
今年は、3月末から「麻疹(はしか)」の流行が話題になりました。ここ数年は、「ワクチン1回世代」の感染が多いことから、日本の予防接種対策への関心も高まっているようです。