Market Plus
明日の投資に何か1つ、プラスの価値を――。難しく捉えられがちな投資の話を自分の事として考えるためのマーケット記事です。
見るべきは「値上げ力」、物価停滞期の注目企業とは?
値上げできる企業、できない企業
食品や外食などでの値上げが目につく反面、スーパーでは値下げの動きが広がっているようです。日本経済新聞によると、足元で6割超の品目が1年前より値下がりし、値下げされた品目の割合は約4年ぶりの大きさになったとのことです。人件費や原材料価格の上昇を背景にメーカーなどが値上げを打ち出したものの、消費者の節約意識は高く、その板挟みとなったスーパーは集客のために結局、値下げをせざるをえなかったというのが実情ではないでしょうか。実際、アンケート調査によると(明治安田生命による4月調査)、節約を意識している人は全体の8割にも上っており、モノやサービスの価格動向に敏感になっていることがわかります。しかし、その中でも順調に値上げをしている企業もあります。値上げを実現させるには、一体何が必要なのでしょうか?
明日発表「GDP」が金融市場に与える影響を先読みする
持ち直しが期待できるのか?
8月10日には、重要な統計であるわが国の4~6月期の国内総生産(GDP)が内閣府から発表される予定です。今回は、経済を把握するうえで私が重要と考えること、GDP統計の意味、そして8月10日に発表されるGDPが市場に与える影響について、お話しできればと考えます。
日銀の政策目標は「物価」だけのままでいいのか
「デフレ=景気が悪い」は本当?
7月31日の金融政策決定会合で日本銀行がどのような話をするのか、非常に強い関心が寄せられていました。日銀は「前年比で2%の物価上昇」を政策目標として掲げています。しかし、同日に公表された「経済・物価情勢の展望(2018年7月)」において、2020年度の物価見通しは同1.6%の上昇となっており、4月時点での見通しよりも下方修正されています。目標達成まで少なくともあと3年は緩和を続ける必要があるわけですが、本当に物価を政策目標とすることが正しいのでしょうか。身の回りの例も見ながら、考えていきましょう。
ドル高局面における新興国投資のカギは?
先進国金利と実体経済の成長率
2018年も下半期となりました。上半期には新興国の為替がドル高傾向となり、新興国投資は「逆風にさらされている」と言われています。なぜ、ドル高になると新興国投資が不調になるのでしょうか?今日は、そのメカニズムを説明したいと思います。
好調な米経済はこのまま続く?今後のドル円ゾーンを予想
極めて強い米7月雇用統計
米6月のFOMC(連邦公開市場委員会)で、年内4回の利上げ見通し(従来は年内3回)が示されて以降、ドル円は堅調に推移し、一時1ドル113円台まで上昇しました。しかし、7月19~20日にトランプ米大統領が米FRB(連邦準備理事会)の金融政策に口先介入し、米国の利上げ軌道を牽制したことや、日本国内では日銀がイールド・カーブ・コントロールを微調整との観測報道が飛び交ったことで、一時1ドル110円台半ばまで下落しています。様々な投機要因に振り回された7月のドル円相場ですが、8月3日(金)に発表された米7月雇用統計は極めて強い結果となりました。今後のドル円ゾーンは?雇用統計の内容から確認していきましょう。
結局のところ「日銀金融政策」の何が変わったのか
今後の行方と市場への影響を整理
先週から今週は、日本銀行の金融政策が久し振りに注目されました。事前に政策内容変更に関する観測記事もあったこともあり、長期金利や金融株、日経平均構成銘柄などに動きが見られています。しかし、政策変更を発表した7月31日当日の動きと翌8月1日の動きが逆になるなど、反応が複雑です。結局どうなるのでしょうか。改めて整理したいと思います。
4~6月期決算が本格化、「株価上昇企業」の傾向は?
値上がりは好業績銘柄だけじゃない
4~6月期の決算発表が本格化しています。これまでのところでは、良い決算と悪い決算が入り交じる、という印象ですが、実は何をもって「良し悪し」とするかは案外難しいものです。単に増益なら良い、減益ならダメ、というものではありません。ポイントは、増益率の大小だったり、市場のコンセンサス対比で上振れたか下振れたかだったりします。その結果、好決算を発表したにもかかわらず、株価が下落することがあったり、その反対に冴えない内容の決算なのに株価が上昇することもあります。
「夏枯れ相場」は狙い時?格言から見る投資術
「人の行く裏に道あり花の山」
相場には、いろいろな用語や格言があります。例えば、「人の行く裏に道あり花の山」という言葉。これは、投資において付和雷同で行動しても大きな成功は収められない、他人がやることの反対をやった方が大きな成功を収めることができる場合が多い、という意味です。類似の格言として、「友なき方へ行くべし」、「相場師は孤独を愛す」というものもあります。日本だけではなく、アメリカの金融の中心地ウォール街にも「Buy when others sell; Sell when others buy.(人が売るときに買い、人が買うときには売れ)」という言葉がありますので、投資の本質を表していると言えるでしょう。さて、格言とは少し異なりますが、「夏枯れ相場」という言葉をご存知でしょうか?夏はお盆休みや休暇等で、国内外の市場参加者が減るために株式市場の取引量が減り、相場の値動きが小幅なものになることを指した言葉です。実際に、夏は取引量が減っているのでしょうか?検証していきましょう。
来たれ「サマーラリー」、期待できるこれだけの理由
好業績に投資家センチメントが改善
「サマーラリー」という用語をご存知でしょうか。7月から9月までの夏場、米国の株価が上昇しやすいことを指した言葉です。米中の通商問題は予断を許さないものの、日米の株式市場は決算発表へ注目が集まっています。今年の夏は用語通り、株価上昇となるのでしょうか。米国、欧州、新興国、そして日本と、順を追って確認していきましょう。
ダイエットを例に読み解く、日銀「観測報道」の深層
今後の金融政策を大胆予測
7月30~31日に行われる日本銀行の金融政策決定会合(以下、会合)で「現在の金融緩和政策が修正される」という観測報道があり、金融市場は大きく変動しました。会合は来週に迫っており、採用される政策の内容いかんによっては、大きな影響を市場に与えかねません。そこで今回は、7月会合での決定内容などについて、私なりの予測をお話しできればと考えます。
注目すべきは気温じゃない!「猛暑」を活かす投資戦略
太陽と人間の不思議な関係
全国的に猛烈な暑さが続いています。今年の夏は猛暑のピークが2回来るようで、1回目はまさに今が真っ最中、2回目は8月下旬から9月上旬までということです。あと2ヵ月近くもこの暑さと付き合っていかなくてはいけないのですね。こうも暑いと、何もする気が起きなくなってしまいます。異常な暑さが経済にどのような影響を与えるのか、今回は気温ではなく、日照時間を使って分析していこうと思います。
チャイナショック再び? “2つのデータ”で再点検
世界経済占う「産業のコメ」とは?
米中貿易戦争の問題に、解決の兆しが見えません。中国、米国など当事者だけでなく、影響が多方面に広がりを見せ始めています。トランプ大統領の言動には不確定な部分が多く、朝令暮改の傾向があるため、あまりはっきりと見通しを示しづらい状況ですが、現時点で中国にどのような影響が出ているか、状況を確認したいと思います。
日銀観測報道に飛び交う思惑、円安トレンドは終了か
米中貿易摩擦は“休戦”へ?
内外情勢に翻弄されるかたちで、ドル円相場が揺れています。7月に入り、米中の通商問題を巡る摩擦が激しさを増しています。一方国内でも、日銀が現状の政策を柔軟化し金融緩和策の持続可能性を高める方策の検討に入った、という一部報道がなされました。米中貿易摩擦問題に日銀の金融政策、ドル円相場の今後の展開はどうなるのでしょうか?
二極化が進む株式市場、「値上がり業種」はどれ?
米中貿易紛争で明暗クッキリ
米中間の貿易紛争が激化の様相を呈しています。当初は、ドナルド・トランプ大統領が交渉術の一環として、中国に対する制裁関税案を発表したと見る向きもありましたが、その後の貿易協議においても交渉がまとまることはなく、7月6日にはそれぞれ340億ドル相当の輸入品に対する追加関税を発動するに至りました。一方で、年初に2万3,073円73銭で取引を開始した日経平均株価は、このレポートを執筆している7月17日時点で2万2,697円36銭と1.6%の下落に留まっており、株式市場全体への影響は限定的となっています。しかしながら、実際にはもっと影響が出ている、と感じている個人投資家も多いのではないでしょうか。
いま「米銀株」に改めて注目すべき“5つの理由”
4~6月期決算発表が本格化
米銀の2018年4~6月決算発表がスタートしました。一般的に、銀行は金利上昇で儲かるセクター。ならば、米国の銀行はFRB(米連邦準備制度理事会)が利上げを続けることで、わが世の春を謳歌していそうです。ところが、銀行株のパフォーマンスはイマイチです。これはなぜでしょうか。
新エネルギー基本計画に商機アリ、国産技術に熱視線
水素エネルギーの潜在成長性に注目
7月3日に第5次エネルギー基本計画が閣議決定されました。今回の計画は「2050年に向けたエネルギー転換への挑戦」という長期的な展望を盛り込んだ点が特徴です。世界的にも「脱炭素化」に向けた流れが逆行するとは考えられず、水素を含む再生可能エネルギーの主要電源化を目指さざるを得ない情勢です。果たして、その商機をつかむのはどのような企業なのでしょうか。
日本株市場への強気シナリオを維持する“3つの根拠”
2018年後半の投資戦略
本日からMarket Plusの執筆に参加させていただく、アセットマネジメントOneの柏原延行です。どうぞ、よろしくお願いします。私は昨年末時点で、(1)2018年には「適温経済・相場」は終焉を迎え、これを悪材料として比較的早い時期にわが国株式市場は安値を取る。そして、その後に、(2)適温経済・相場は終焉を迎えるものの2017年よりも投資環境は改善し、わが国の株式市場は一般的な想定以上に上昇する、と予想していました。7月10日に米国が新たに2,000億ドル(約22兆円)に相当する品目への制裁関税の追加措置案を公表したことなどを受けて、貿易・知財をめぐる米中の対立、いわゆる貿易戦争が一段と激しくなるとの論調が、各種メディアでは目立つように思われます。しかし私は、年後半に向けて、わが国の株式市場が上昇するという見方は変更していません。今回は、この予想の理由をご説明したいと考えます。
「ステルス値上げ」実施企業の株価は上がる?下がる?
忍び寄るシュリンクフレーション
2年間の海外生活を終え、2ヵ月前から東京で生活をしていますが、いろいろなものの中身が少なくなったと思うことが何回もあります。コンビニエンスストアのお弁当やスナック菓子、牛乳やペットボトル飲料など、日常の中でよく手にする商品が軒並み小さくなった気がします。皆さんはいかがでしょうか。今回は、この現象とそれがマーケットに与える影響を見ていきます。