はじめに
相場が下がっているとき投資をしない選択は正しいのか?
相場が大きく下がる局面で、「もう投資はやめておこう」と考える方も多いかもしれません。しかし、その選択は本当に正しいのでしょうか。
将来を見据え、資産形成のために投資を生活に取り入れている人の中には、「暴落時こそ投資のチャンス」と前向きに捉える方もいます。相場の下落局面で過度な不安に陥ってしまうのは、自分にとって適切な投資金額が分かっていないことが原因かもしれません。「自分がどれくらいの金額をリスク資産に投資できるのか」「無理のない範囲での投資なのか」を整理できていないと、目の前の値動きに心揺さぶられ、不安に支配されてしまいます。だからこそ、一度立ち止まり、「何のために投資をしているのか」「どこまでの損失であれば受け入れることができるのか」という本来の投資目的やリスク許容度を見つめ直すことが大切です。
実際、過去の相場を振り返ると、暴落後には時間をかけて市場が回復してきた例が数多くあります。例えば、2020年のコロナショックでは日経平均株価は同年2月から3月にかけて約24,000円から16,000円台へと短期間で約30%下落しました。しかし、その後は各国の経済対策により急速に回復し、日経平均は2021年に30,000円台を回復しています。もちろん将来のことは誰にもわかりませんが、こうした過去の事実は、投資における大切な学びを与えてくれています。
とはいえ、下落局面で、一度に全額投資するのは勇気がいるものですし、心理的な負担も大きいでしょう。そんな時は、つみたて投資のように時間を分散して投資していくことが有効です。少額ずつ、コツコツと投資を続けることで、短期的な値動きに一喜一憂せず、長期的な資産形成を目指すことができます。
そして、相場が不安定な時期だからこそ、正しい知識や情報を得ることが不安を和らげる「これからの武器」になります。ニュースの見出しやSNSの噂に振り回されるのではなく、信頼できる情報源から学び続ける姿勢が、長期的な資産形成には欠かせません。短期的な不安に流されず、長期的な視野で自分の投資軸を持ち続けることが、相場が荒れた時期を乗り越えるための大切なポイントなのです。
守りながら前に進もう
相場が大荒れのとき、無理に投資を始める必要はありませんが、将来に備えて心の準備をしておくことは大切です。今すぐ投資をしなくても、まずは情報収集をしたり、証券口座やNISA口座を開設してみたりと、できることから始めてみましょう。正しい知識を身に付けておけば、いざという時に冷静な判断ができるようになります。
また、資産を守ることは重要ですが、守り一辺倒ではインフレや将来の資金不足に対応しきれないリスクもあります、現金や預金などの「守り」の資産と、投資信託や株式などの「攻め」の資産をバランスよく組み合わせることが、長期的な資産形成には不可欠です。少額からつみたて投資を始めたり、分散投資でリスクを抑えたりすることで、無理なく「攻め」の部分を取り入れることができます。
そして何より、自分の人生設計に合わせたマネープランの土台作りが大切です。将来の目標や必要資金を明確にし、その目標に向かって資産をどう守り、どう育てていくかを考えることが、安心と成長の両立につながります。相場が不安定な今だからこそ、焦らず着実に「守り」と「攻め」を取り入れることが、結果的には資産を守ることにつながります。将来に向けた資産形成の一歩を踏み出してはいかがでしょうか。
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