はじめに
2025年上半期ダブルバガー銘柄:DX・医療バイオ編
DX関連も引き続き注目できそうです。日本企業の多くは、古い業務フローや紙中心のオペレーション、レガシーITシステムに依存してきました。しかしコロナ禍以降、リモートワーク、非対面営業、デジタル販促などが急速に求められ、「業務効率化」「コスト削減」「人手不足対策」「営業力強化」「データ経営」など、あらゆるテーマでDX投資が進んでいます。日本政府もDX化を重要政策に位置付けており、官民一体でIT投資の拡大が続いています。
DX投資の加速と個人認証技術の需要増
株式会社ELEMENTS(5246)は個人認証と個人最適化を軸に、デジタル社会の基盤を支える先進的なテクノロジー企業で、オンライン本人確認サービス「LIQUID eKYC」や当人認証サービス「LIQUID Auth」などの個人認証ソリューションを主力とし、金融機関や通信会社などに導入されています。非開示だった今期売上が50%増収で6期連続最高更新となる見通しが伝わったことなどから2025年上半期の株価は3倍超となる場面もありましたが、6月末時点でも年始比でダブルバガーとなっています。
医療・バイオベンチャーの材料株
「再生医療」「AI医療」「アンメットメディカルニーズ(未充足の医療課題)」といったワードも投資家に人気です。バイオ関連株の中で特に大きく株価を伸ばしたのが サンバイオ(4592)とレナサイエンス(4889)の2社です。
サンバイオ(4592)は、長年脳損傷などの治療を目的とする再生細胞薬の開発に取り組むバイオベンチャー企業です。特に注目されたのは世界で初めて脳の細胞治療薬の2024年に条件付き承認を取得し、主力製品である「アクーゴ脳内移植用注」という再生細胞薬についての製造状況が進展したこと。今年2月、製造工程における品質検査で基準をクリアしたと発表したことで、承認取得・出荷への期待が一気に高まり、連日ストップ高となる急騰を見せました。
レナサイエンス(4889)は、AIや先進医療技術を活用して、糖尿病や脱毛症など様々な疾患領域で新薬、新技術の開発に取り組んでいる創薬ベンチャー。今年1月にライセンス供与先のアメリカ企業が開発中の男性型脱毛症用の外用薬で良好な臨床試験結果が出たことで株価が急騰。加えて糖尿病患者向けのAI医療機器について、医師による予測と比べても十分に同等性能であることが実証されたと発表。さらに、米国のノースウエスタン大学の長寿研究所の日本拠点がレナサイエンスの研究施設内に開設されるというニュースも材料視されました。
急騰銘柄に共通する特徴
2025年上半期のダブルバガー銘柄は、成長性の高い分野への参入や、独自のビジネスモデル、戦略的な提携・買収などにより、投資家の期待を集めたことが共通点と言えそうです。2025年上半期に急騰した銘柄はほかにもありますので、よろしければご自身でもチェックしてみてください。今後の投資戦略を考える上でのヒントになれば幸いです。
投資管理もマネーフォワード MEで完結!複数の証券口座から配当・ポートフォリオを瞬時に見える化[by MoneyForward HOME]