はじめに

株式相場には、さまざまなアノマリーや「季節性」が存在します。日本はこれから夏本番。そこで、今回は夏が暑ければ暑いほど商品の需要が増え、株価が上昇するといわれる「サマーストック」の値動きを検証します。関連する全銘柄を検証することはできませんが、代表銘柄に絞って、夏の間のパフォーマンスを見てみましょう。


「サマーストック」効果を検証

2025年は梅雨入りが例年より遅く、梅雨明けが例年より早い、降雨の少ない梅雨になりそうです。この原稿を書いている6月末、西日本はすでに梅雨明け。関東以北も、7月上旬の梅雨明けが予想されています。日本列島は、梅雨が明ければ夏本番。2022年以降、日本は毎年のように暑さ厳しい夏が訪れていますが、2025年も酷暑になりそうです。

夏の株式相場といえば、注目テーマに挙げられるのが「サマーストック」。サマーストックとは、「その年の夏が暑ければ暑いほどエアコンやビール、ソフトドリンク、アイス、夏のレジャーなどの季節要因需要が増え、それを見越した買いが入るため株価が上がりやすい」というもの。毎年のようにメディアで取り上げられる相場テーマのひとつです。

疑問に感じるのは「はたしてサマーストックという相場テーマは本当に有効?」ということ。「夏の需要で業績が押し上げられるので、株価も上がりやすい」という〝理屈〟は理解できますが、数カ月間の追い風だけでは、さほど株価が上がるとは思えません。そこで、今回はネット証券などで取り上げられている代表的なサマーストックについて、2015年から2024年の10年間における夏(5月~9月)のパフォーマンスをリサーチしてみました。

表は、代表的なサマーストック15銘柄の5月から9月の平均騰落率です。表で示したのは10年間の平均値のみですが、実際には各銘柄の期間内のパフォーマンス(5月の始値から期間内の高値)を算出。同期間内のTOPIX(東証株価指数)のパフォーマンスと比較し、15銘柄のうち、何銘柄がTOPIXのパフォーマンスを上回ったかという「勝敗」も割り出しました。

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