はじめに
アクティブファンドを選ぶ時、過去の運用実績もさることながら、運用哲学が大事だといわれます。ただ、本当にそれが実践されているのかどうかを把握するには、どうすれば良いのでしょうか。
アクティブファンドに運用哲学が必要な理由
よく「アクティブファンドを選ぶ時は、運用哲学を重視しましょう」といわれます。それはファンドを長期保有するための拠り所になるからです。
投資信託は、資金の出入りが頻繁だとリターンに影響が及びます。特に解約による資金流出が続くと、ポートフォリオに組み入れた資産を取り崩さざるを得なくなります。中長期的な値上がりを期待して組み入れた資産を取り崩すことになれば、それだけ将来に期待されているパフォーマンスが悪化する恐れを抱え込むことになります。
また、マーケットが急落した時、投資信託は割安になった資産があれば、安値でそれを仕込んでいきます。そうすることによって、株価が回復局面に入った時のリターン向上を狙うのです。
ただし、それが可能になるかどうかは、ファンドに資金が継続的に流入することが前提条件です。資金が継続的に流入していれば、その資金で安値を仕込むことができますが、マーケットの下落に伴ってファンドから解約増による資金流出が生じれば、マーケットの回復局面でリターン向上させるための安値を拾うことができず、ただひたすらポートフォリオを取り崩すしかありません。
インデックスファンドは資金流出の影響が小さい
ただ、上記のように資金流出入がリターンに影響しないのが、インデックスファンドです。もちろん純資産総額の規模があまりにも小さいと、インデックスファンドの機能を果たしにくくなりますが、ある程度の純資産総額を持っているインデックスファンドであれば、資金の流出入がファンドのパフォーマンスに及ぼす影響は小さく抑えられます。
というのも、インデックスファンドはベンチマークに対する超過リターンを狙うものではなく、あくまでもベンチマークと同様のリターンを目指せば良いからです。
アクティブファンドの場合、ベンチマークに対する超過リターンの実現を目指しますから、前述のようにマーケットが急落した時でも、将来のリターン改善のために安値を拾うためには、資金が流入し続けなければなりません。
でもインデックスファンドは、あくまでもベンチマークと同様のリターンを実現すれば良いので、資金が流出したとしても、フェアバリューに対して割安になった銘柄を探して組み入れる努力をする必要がありません。資金流出によってポートフォリオのサイズが縮小したとしても、そのリターンがベンチマークに対して忠実にトラックできるよう、ポートフォリオの中身を調整すれば良いのです。