はじめに
コーセー
同じく2025年12月期第3四半期の決算は、売上高2,405億円(前年比+0.7%)、営業利益135億円-27.8%)と増収減益。為替の影響や販管費の増加が利益を圧迫しました。
大谷翔平選手を起用した高級スキンケアブランド「DECORTÉ」は引き続き好調でしたが、中国本土や欧州市場が低迷し、全体としての伸びを打ち消しています。
そして、翌日の株価は一時ストップ安となる急落。資生堂と比べて決算のインパクトはそれほど悪くないように見えますが、投資家の反応はまったく逆となりました。
その背景には、「今後さらに悪材料が出るのではないか」という疑念があります。コーセーは通期業績予想を据え置いていますが、第3四半期終了時点での営業利益進捗率はわずか68%。残り3カ月での巻き返しに対する明確な説明がなく、下方修正リスクが意識されたものと考えられます。
さらに、原価率の上昇に加え、広告宣伝費・物流費・EC投資などの販管費が拡大。会社側は「成長投資」と説明していますが、市場は「コスト管理の甘さ」と見なし、厳しい評価を下しました。
株価チャートと今後の注目点
画像:TradingViewより
2社の株価チャートを重ねてみると、決算発表までは非常によく似た動きをしていました。しかし、決算後の反応を受けて、資生堂は反転の兆しを見せた一方で、コーセーは急落。ここからは両社が逆方向へ動く可能性もあります。
残された3カ月でコーセーが巻き返せるのか、それとも資生堂が本格的な底打ち反転に入るのか──。年末にかけて、両社の動向は非常に注目される展開となりそうです。
※本記事は投資助言や個別の銘柄の売買を推奨するものではありません。投資にあたっての最終決定はご自身の判断でお願いします。
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