はじめに
元本確保型商品のみを選択している人は、なぜそうしている?
元本確保型商品だけを選んでいる人は、企業型DCでもiDeCoでも17%と同じ比率でしたが、その理由には属性による差があります。
高収入層では「資産を増やす必要がないから」という理由が多い一方、年齢が高くなると「資産が減るのが嫌だから」が増えます。また、「何で運用すればよいかわからない」「投資信託を使ったことがない」「預金や保険の方が安心できる」といった投資経験の乏しさが背景にある理由は若年層に多く見られます。元本確保型のみを選ぶ背景には、合理的な判断もあれば、知識や経験不足に基づく側面もあるといえます。
元本確保型+投資信託が多い企業型DC、投資信託のみが多いiDeCo
なお、企業型DCの運用先で最も多かったのは「元本確保型+投資信託」(27%)でした。これに対して、iDeCoでは「投資信託のみ」が38%で最も多くなっています。「運用先がわからない」と答える人も一定数いますが、企業型DCの34%に対し、iDeCoでは22%と少なくなっています。iDeCoは自らの意思で加入する制度であるため、主体的な選択行動がより反映されていると考えられます。
企業型DCでは、企業規模が大きくなるほど投資信託の利用者が増え、元本確保型や「わからない」の割合は減少します。これは先述のとおり、企業規模が大きいほど職場での金融経済教育の機会が充実しているためと考えられます。
みなさんはDCでどのような運用をしていますか。そして、その感触はいかがでしょうか。この記事をきっかけに、改めてDCの運用を振り返ってみるのもよいかもしれません。
次回は、投資信託の運用先について、人気のカテゴリや、分散投資が本当に達成されているのかといった点について見ていきます。なお、確定拠出年金3万6,000人調査のレポート全文はこちらから閲覧できます。
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