はじめに
ウィメンズが打開策のポイントだ
その観点でいえば、短期で対策が打てるのは女子の領域。毎年流行の色が変わり、アイテムのシェイプも流行が変わるので、常に新しい商品を買ってくれるのが女子だからです。
でもその肝心の女子が「ユニクロはちょっと」と思うようではいけません。なんとかならないものでしょうか?
実はユニクロの取り組みの中で、この分野の対策がうまくいっている部分があります。
この春、我が家で久しぶりにユニクロを爆買いする現象が起きました。私も家内も娘もこぞってある商品を買い求めて、合計で数万円も使ってしまったのです。
それが「UNIQLO×LEMAIRE」というブランドでした。それは何ですって? お教えしましょう。
「UNIQLO×LEMAIRE」は「欲しい商品」だった
http://www.uniqlo.com/jp/store/feature/uq/uniqloandlemaire-home/women/
「UNIQLO×LEMAIRE」はエルメスのトップデザイナーだったルメールとユニクロのコラボ商品で、実は昨冬、ファッション業界に衝撃を与えた商品でした。人気商品はあっという間に売り切れで、その同じルメールの作品が「今回の春夏物が最後」という触れ込みでふたたび登場したのです。
フランス人のファッションは本当のことをいうと日本人の体形に合うかどうか微妙ではあるのですが、実際にその洗練されたデザインのシャツを身に着けると、自分がパリジャンになったような気がするのが不思議です。
消費者の立場でいえば、これまでタンスの中に入っていなかった欲しい商品が発表されたのですから、欲しければどんどん買うという意識になるのは自然です。
ウィメンズ×企画コラボに戦略を集中せよ
その観点でいえば、これからのユニクロの成長はウィメンズの分野でどれだけ「UNIQLO×LEMAIRE」と同等のコレクション企画を出していけるかにかかっているでしょう。
現在は花柄で有名なロンドンのリバティとのコラボ商品が店頭を飾っています。他に、うちの家族から評判が高かったのはイネス・ド・ラ・フレサンジュとのコラボ商品。こちらもパリ発信の商品ですが、カジュアルシーンではとてもリラックスできる商品群でした。
http://www.uniqlo.com/libertylondon/jp/
http://www.uniqlo.com/jp/store/feature/uq/ines/women/
そしてワーキングウーマンにとってのカリーヌ・ロワトフェルドとのコラボ商品のスーツ。今は真夏なので着る機会は少なくなっているかもしれませんが、年間を通じて考えれば魅力ある商品群です。
彼・彼女たち売り出し中の国際的なデザイナーにとってはユニクロの販売力は魅力です。特に大手専属だったデザイナーが独立し、自分のブランドを立ち上げる際にはユニクロとのコラボは有力な売り出し方でしょう。
その観点でいえば、デザイナーとのコラボ領域が、ユニクロの客足を取り戻すためには最適な重点戦略領域だと私は思うのですがいかがでしょうか?