はじめに

9. Home Depot(HD)

住宅リフォーム・建材販売の最大手。住宅リフォーム向け建設資材、家具、ガーデニング用品などを取り扱う大型小売店チェーンを展開する世界首位のホームセンターの企業です。社員の知識も高く、店頭販売に強みがあります。オンライン販売にも積極的でその割合は年々増加し、取り扱い商品数は100万点以上。金利動向や住宅市場の影響を受けやすいものの、米国の住宅ストック更新需要という長期テーマがあります。

予想配当利回りは約2.7%。積極的な自社株買いも特徴です。

10. Johnson & Johnson(JNJ)

医薬品、医療機器、ヘルスケア製品を展開する、世界最大級のヘルスケアカンパニー。60年以上の連続増配実績を持ち、配当を重視する長期投資家にとっての定番銘柄です。

予想配当利回りは約2.7%。利回り水準は下位ですが、配当の信頼性では際立つ存在です。

ダウの犬戦略の本質

図

「ダウの犬」の平均配当利回りは、おおむね3.5%前後とダウ平均全体を上回る水準になります。ダウ平均の構成銘柄を配当利回りの高い順に選んでいるため、これはある意味で自然な結果とも言えるでしょう。

この戦略の本質は、当たりを引くことではなく、ブレない“型”を持つことにあります。

相場は常にノイズに満ちており、短期の値動きやニュース、SNSの声に振り回されると判断は感情的になりがちです。しかし、「年に一度、ルールに従って選び、1年保有する」という単純な仕組みを持つことで、迷いを減らし、投資を継続する力が生まれます。

そもそも米国を代表する30銘柄の中から高利回り株を選ぶというフィルタリングが効いているため、非常にシンプルながら再現性が高く、配当という現実的なリターンを重視する長期投資と相性が良い戦略と言えます。

とはいえ、高配当=安全ではありません。

業績悪化や減配リスク、米国株式市場全体の影響を受けるという点にご注意ください。興味を持たれた方は、この機会にぜひ調べてみてはいかがでしょうか。

派生戦略「ダウの子犬」も注視

「ダウの犬」からさらに絞り込んだ派生戦略が「ダウの子犬(Small Dogs of the Dow)」です。配当利回り上位10銘柄の中から、株価が低い5銘柄に集中投資する方法です。

ダウ平均は株価加重平均指数であるため、株価が低くても指数への影響は小さくありません。

「低株価=問題児」ではなく、調整局面にある優良銘柄が含まれる可能性がある点が、この戦略の面白さです。年末年始はいつもよりも投資の学びや調べ物にも時間が取れると言う方も多いのではないでしょうか。「ダウの犬」「ダウの子犬」をきっかけに、ご自身のポートフォリオや投資戦略を見直す機会にしていただければと思います。

この記事が少しでも皆様の投資のお役に立てれば幸いです。良いお年をお迎えください。

投資管理もマネーフォワード MEで完結!複数の証券口座から配当・ポートフォリオを瞬時に見える化[by MoneyForward HOME]

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