はじめに
確定申告のシーズンが近づくと、「入力作業が大変」「レシートの山を見るだけで憂うつ」と思いながら、重い腰を上げている個人事業主の方は多いでしょう。
しかし、解決すべき本当の課題は“入力作業そのもの”ではなく、“手作業”によって大切な時間を奪われている状況そのものです。確定申告における入力作業は、単なる事務負担ではなく、事業における「目に見えない大きな損失」です。
本記事では、確定申告をただの負担として捉えるのではなく、「時間の損失」という視点で見直し、今すぐ実践できる会計ソフト自動化の具体策を、4つのステップで解説します。
事業の成長に使う「時間」を生み出すには
「1件ずつの入力はたいしたことがない」と思われがちですが、1枚のレシートを入力するのに30秒。それが100枚あれば50分。仕訳を考えながら進めれば、あっという間に1時間近くが過ぎていきます。さらに、「今は忙しいからまた今度」「まとめてやろう」と後回しにすることで、心理的な負担も積み重なり、確定申告そのものがストレスになってしまいます。
個人事業主にとって、時間はそのまま売上や価値創出につながる貴重な資源です。節税や経費削減以前に、まず守るべきは「時間」です。だからこそ、入力作業は「自分の手間をかけない前提」で、会計ソフトの自動化の仕組みを整えることが重要です。
ここからは、個人事業主が今すぐ取り入れられる4つの具体策を見ていきましょう。
ステップ①事業用クレジットカード・事業用口座との自動連携
自動化の第一歩は、事業用クレジットカードと事業用口座の自動連携です。多くの会計ソフトでは、複数のカードや金融機関を同時に連携できます。「1枚にまとめなければ」と思い込む必要はありません。使用頻度が低くても、事業用の決済に使っているカードや口座は、すべて連携させておきましょう。
プライベート用と事業用の口座・決済手段を分けておくのは基本ですが、「連携しているカード・口座を優先して使う」意識が大事です。現金払いや未連携の決済手段が増えるほど、手入力も増えてしまいます。
ポイント還元や使い分けが面倒だからと、未連携のカードを使いたくなる場面もあるかもしれません。その際は、「その選択が、あとで自分の入力作業を増やしていないか?」と、一度立ち止まって考えてみましょう。
ステップ②会計関連システムの連携で「二度手間」をなくす
次に進めたいのが、請求書作成ソフトや決済システムなど、「会計関連ソフト」との連携です。作成した請求書の情報を、再度会計ソフトに入力するのは二度手間です。請求書作成ソフトは、会計ソフトと同じサービスで揃えるか、少なくとも連携可能なものを選ぶのが基本です。
店舗販売やオンライン決済などに対応可能なPayPal、Square、Stripeなどの決済システムを利用している場合も、会計ソフトとの連携が可能です。これらを連携させると、「売上高」と「差し引かれた決済手数料」を自動で切り分けて記帳できます。
注意点としては、連携しただけで満足して、仕訳登録をしないままにすることです。仕訳登録を放置していると、あとから修正が大量に発生する、という事態も起きかねません。一度勘定科目などを正確に登録することで、次回から連携されるデータに自動反映されるため、後々の負担を大きく減らすことができます。