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英ARM買収のソフトバンク、株価急落の3つの理由

総額約3兆3000億円の買収劇

7月18日の海の日、この日は海の日にふさわしい熱い一日でした。相場は休場で、投資家の関心は「ポケモンGO」一色でしたが、それに勝るとも劣らないビッグニュースが飛び込んできました。ソフトバンクによるイギリス「ARM(アーム)」社の買収です。

何がすごいってその桁違いの買収額です。総額約3兆3000億円という文字通り桁違いの金額で、日本企業による海外買収案件では史上最高額になるそうです。金額だけでいうと、最近上場した「LINE」を3つ4つ買えてしまいます。

市場の話題を一気にさらったARM買収劇ですが、休み明けのソフトバンクの株価は10%を超える急落。約4年ぶりの日中下落率を記録し、市場はNOを突き付けました。その理由はいろいろ言われていますが、僕はシンプルに一つだと思います。まずは、いろいろと言われている理由からーーザ・フライ井村のLet'sカブトク!


いろいろ言われている理由1:財務悪化懸念

ソフトバンクは、2013年にアメリカの携帯電話大手「スプリント」を約1兆8000億円で買収しています。これもかなり巨額な買収劇でしたので、ソフトバンクは相当の部分を社債や借入金、つまり借金で賄いました。

2012年度に3.7兆円だった有利子負債は、2015年度には11.9兆円まで膨らんでいます。この状態からアームを3.3兆円でお買い上げするって言うんですからさぁ大変です。さらなる悪化は避けられそうにないですよね。

でも、僕はそんなに問題ないかと思っています。というのも、ソフトバンクは今回の買収に際して、アリババ、スーパーセル(Supercell)、ガンホー(GungHo)など、保有株を立て続けに売却し、約2兆円のキャッシュを手にする予定です。

また、銀行から1兆円のつなぎ融資を受けるとのことですが、実質はほとんど手元資金で賄えているわけですし、投資銘柄を入れ替えたという感じが近いのかもしれません(ちなみに、ソフトバンクが投資している保有株時価は7月20日時点で約9.5兆円もあります)。

それに、現在は歴史的な超低金利です。2013年に異次元金融緩和が行われ金利が低下し始めた頃から、ソフトバンクは借り入れを増やし始めています。お得に借りられるうちに借りておこうというやり手な考えなんだと思います。

いろいろ言われている理由2:既存事業とのシナジーが見えにくい

アームは半導体の設計を手掛ける会社で、その技術をライセンスという形で提供し、ロイヤリティを得ています。驚くべきことにその技術はスマホの約95%に使われている隠れた独占企業だと言えます。

スプリントの買収では、通信事業を日本から世界へ横に広げる展開だったのに対し、今回のARMは、通信事業から通信に使うスマホなどデバイスの設計という縦に伸ばす展開となっています。書きながらも思いましたが、どうつながってくるのかよく分かりませんよね?

孫さんにははっきりと見えているそうですが、やはり凡人にはシナジーが見えにくいとこがありますね。

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