自宅の購入を検討しているけれど、不動産の取引は一生のうちに、そう何度もない経験。ブラックボックスになっている部分が多いため、最初の一歩を踏み出せない人も少なくありません。

ましてや、足元の不動産価格は、東京オリンピックに向けた建設需要増のあおりを受け、2013年から急激な上昇が続いています。特に東京都心のタワーマンション(タワマン)は、一般市民には手の届かない“高嶺の花”となっています。

しかし一方で、自分が住みたいと思える物件との出合いも、一生のうち、そう何度もあることではありません。世間でよく言われているように、「欲しいと思った時が買い時」であることもまた事実です。

では、そんな時、私たちはどうすればいいのか。2017年6月、池袋のタワマンを購入した30代男性の例をもとに、できる限り費用を抑えて“憧れのマイホーム”を手に入れる方法を探ってみましょう。


半年かけて見つけた“憧れの家”

池袋にあるタワーマンションの高層階に住む、松本雄一郎さん(仮名)。眼下に広がる池袋の街を眺めながら、このマンションを購入したことに幸せを感じているといいます。

松本さんが自宅の購入を検討し始めたのは、2016年10月のこと。きっかけは、当時2歳だったお子さんでした。

「1年半後に幼稚園に入れようと思っていたのですが、子供の就学中に転校するのは避けたかった。この先、高校卒業まで10年以上、同じ家に住むのであれば、賃貸ではなく、購入したほうがいいと考えました」(松本さん)

当初、掲げていた自宅の選択肢は2つ。1つは、周囲の道路が広くて、子供が安全に遊べるエリア。もう1つが、豊島区にある実家に近いエリアでした。

最初は大手の不動産仲介会社を訪ねて、豊洲など再開発が進んで街並みがきれいなエリアを中心に回っていました。ところが、なかなか条件に合う物件が絞り込めない。そこで、実家近くの池袋周辺にエリアを移して探してみたものの、今度は物件価格が高すぎて、予算の範囲内に収まりません。

結局、3~4社の仲介業者を渡り歩き、10件近くを内見しました。費やした期間は、実に6ヵ月。それでも、なかなか決断できませんでした。

これではラチが明かない。そこで試しに、あえて予算の範囲外だった池袋のタワマンを内見する機会を持ちました。それが、松本さん一家が現在住んでいる物件です。参考程度に見に来たはずが、物件を一通り見て回ると、一家全員がゾッコン。「お金のことを考えなければ、ここだね」。家族の意見が一致しました。

仲介手数料をどうやって抑えるか

松本さんが見つけた“憧れのマイホーム”(右)。サンシャインシティ(左)にも地下通路で直結

でも、本当の問題はここから。仲介手数料も含めると、この物件の価格では予算をオーバーしてしまいます。手数料をどうにか減らせないか。松本さんは、目の前にあったパソコンに向かいました。

目に止まったのは「仲介手数料が最大無料」というバナー広告。「無料」という2文字に引かれて、ダメ元で問い合わせてみました。こうして出合ったのが、不動産流通システム(REDS)でした。

池袋のこのタワマンが気になっているが、ホームページに載っているように、仲介手数料が無料や半額になるのか――。松本さんがそう問い合わせると、返ってきた答えは「半額になります」。

「実際に会ってみるまでは、手数料が安いので他に何かで料金が取られるのではないか、担当者がイマイチなのではないか、など負の側面を警戒していました。ところが、われわれを担当してくれた営業マンは、これまでに訪問した3~4社の仲介業者の中で一番良かった」(松本さん)

何が松本さんを引き付けたのか。こんなエピソードを教えてくれました。