はじめに

繰上返済は、“早期”に“期間短縮”がより効果的

住宅ローンの借り換えにおいては、再度、住宅ローンの審査を行うことになります。今の住宅ローンを組んだ時にはなかった病気や転職があれば、審査の結果が変わることもあります。市場金利で考えると住宅ローンを借りることや借り換えをすることが好機であっても、我が家にとっての好機ではない場合もありますね。

住宅ローンの支払総額を抑えるその他の方法としては、繰上返済も選択肢です。手元にある余裕資金の分だけ、住宅ローンを前倒しで返済することで、借りたままだとかかるはずだった利息を軽減させます。

例えば、先の2013年に2.6%、35年返済で3000万円を借りている人が、2018年1月に300万円繰上返済(期間短縮)を行った場合、約313万円の利息軽減効果が得られます。手元にまとまった資金がある場合は、繰上返済も有効な選択肢ですね。

繰上返済では、返済開始から日が浅いほど、利息の軽減効果が高くなります。また、毎月の返済額を軽くする”返済額軽減型”と、返済期間を短くする”期間圧縮型”という大きく2種類の繰上返済方法がありますが、”期間圧縮型”の方が利息の軽減効果は高くなります。

いつから借り始めている住宅ローンなのかも含めて、軽減される利息をサイトなどで、正しくシミュレーションし検討しましょう。同じ金利、同じ金額の繰上返済でも、返済開始からの経過年数や、どちらの方式を選んで繰上返済するかで、利息の軽減効果は異なってきます。

住宅ローンは個人が借りるローン商品の中では有利な商品

低金利で借入ができている場合、繰上返済の利息軽減効果よりも、今手元にまとまったお金を置いておくことの方が妥当と判断できるケースも多くあります。手元資金を手放した割りには利息の軽減効果が少なく、子どもの教育費がかさむ時期に他の借入で補填しなければいけなくなってしまうと、通常は不利になります。

住宅ローンは、個人の借入ができる商品の中で、返済期間の長さ(猶予)でも、金利の低さでも、比較的有利なローン商品です。住宅ローンの繰上返済をがんばりすぎて、結果としてその他のローン商品を利用することはないように心がけたいです。

借り換えや繰上返済などで、住宅ローンの利息軽減を行うと、家計にとっては高い効果が得られますが、ローン商品の中では比較的有利な借入先であることを踏まえ、心地よい断捨離バランスを探していけると理想的ですね。

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