はじめに

11月第1週の日経平均株価は大幅な下落となりました。そのきっかけとなったのが、米国の中間選挙です。与党である共和党が上下両院で過半数を失い、敗北を喫したことが市場の重しとなりました。

中間選挙と同時に実施された州知事選でも民主党が躍進したことを受け、AI(人工知能)やデータセンター(DC)に対する許認可・規制が強化されるとの懸念が浮上しました。これにより、これまで「AI相場」を力強く牽引してきたハイテク株や半導体関連株に調整リスクが意識され、日本市場を含めて関連銘柄が売られる展開となりました。

本記事では、米中間選挙の結果が株式市場へ与えた影響を整理します。


米国中間選挙で民主党が勝利、AI関連株へ広がった規制懸念

米国でデータセンター建設への反対運動が拡大している背景には、巨大施設が及ぼす騒音や景観の毀損、健康への悪影響に対する地域住民の不安が存在します。これまでIT大手には巨額の減税などの優遇措置が講じられてきましたが、生活環境への実害に対する懸念が限界に達したことが挙げられます。

さらに、ハイパースケーラー(巨大テック企業)や開発会社は、巨額の借入やキャッシュフローを背景にデータセンターや半導体への大量投資を継続してきました。しかし、施設稼働や資金回収の遅れが生じれば、金融機関の融資条件厳格化やAI投資全体の持続可能性に対する疑念へと直結します。

こうしたAI投資の持続性に対する不透明感が直撃したのが、東証プライム市場で11月第1週に最も下落したキオクシア(285A)です。同社の株価は週間で35%下落しました。主力のNAND型フラッシュメモリの主要需要先であるAI投資の停滞懸念が表面化したことが主な要因と見られます。

加えて、11月4日申込時点での信用買い残高は約5,200万株(金額ベースで約8,730億円規模)、信用倍率は約38倍と極めて高水準に達していました。

信用買い残高とは、信用取引を用いて買い付けたものの、反対売買(売り)や現引きによる決済が行われていない残存株数や金額を指します。信用買いした株は原則として6カ月以内に決済をしなければならず、膨大な信用買い残の存在は将来的な売り圧力を意味します。同社は2026年6月に高値をつけており、6カ月の信用期到来が近づいていたことも売りを増幅させる要因となりました。

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