はじめに
年初来、為替が円高に振れる中、外貨預金に注目が集まっています。
魅力は相対的な金利の高さです。為替が円高の時に外貨で預金をすれば、満期時に預金先の通貨の価値が下落するリスクも小さいのでは、という読みも働きやすくなります。
実際のところはどうなっているのでしょうか。リスクとリターンのデータをひも解くことで、外貨預金の妙味について探ってみます。
為替差損で損するケースも
現在、日本円の定期預金は、3ヵ月物で年率0.01%程度です。一方、米ドル預金は年率1.65%、豪ドル預金は1.0%です(為替ヘッジなしの場合、下表)。為替の手数料が取られてしまいますが、それでも1年程度預けていれば、円預金よりは結構高い金利が受け取れる計算です。
リスクはもちろん、為替レートです。たとえば、1年前にブラジルレアル建ての定期預金に円資金を預けた場合、利息は元本に対して3%程度となりますが、為替で12%も損をしてしまいます。仮に100万円を預けていれば、差し引きで9万円と手数料分の損となってしまいます。
逆に、中国人民元建ての定期預金であれば、2.5%の利息を得られたうえ、為替損益もプラスとなった計算です(下図)。
このようなラッキーな例もあるとはいえ、やはり変動の激しい通貨であれば、預金利息を超える為替差損が出てしまう可能性が心配です。では、為替リスクの割に高い利息収入が狙える通貨を選ぶには、どのような数字を見ればいいのでしょうか。