はじめに

ロボアドバイザーの種類

ロボアドバイザーは、実はたくさん種類があるのですね。興味がある方はたくさんいらっしゃると思いますけれども、Googleで検索いただくとたくさん出てきます。いくつあるかというと、私が12月末時点で見たところだと22種類ぐらいあるのですね。

ロボアドバイザーのロボアドバイザーが必要なんじゃないかと業界の人は言っているぐらいロボアドバイザーばかりで、皆さんから見ると、何がどう違うのかさっぱり分からない、という状況になってきてしまっていますが、大きく分類すると、ロボアドバイザーというのは2タイプあります。ここを押さえていただくと分かりやすいと思います。

1. アドバイス型ロボアドバイザー

アドバイス型は、先ほど私がお話したところでいうと、リスク許容度を測定してお客さまにぴったりなポートフォリオはこうですよと提示して終わり、です。ですから大体無料です。

2. 投資一任型ロボアドバイザー

一任というのは契約形態の名前ですけれども、その名の通り全部お任せできます。リスク許容度を測定して、お客さまの最適なポートフォリオはこれですよ、というアドバイスにとどまらず、運用会社のほうでその売買も行います。

さらに、リバランスも全部お任せでこちらの運用会社で行っていくので、1%ぐらいですけども少しコストがかかります。

ですから「まずは簡単にリスク許容度を測定して、自分がどんなポートフォリオかを見たい」だけでいいのであれば、アドバイス型で構わないと思います。「自分では、資産運用はちょっと分からないのでお任せしてしまったほうがいいな、便利だな」という方は、この投資一任型から選んでいただければと思います。

大体ベンチャー企業とかネット証券が投資一任型のロボアドバイザーをやっていますので、たくさん種類があり何がどうか分からないという場合は、この2つの中で比較検討いただくといいのではないかなと思います。

「趣味としての投資」と「資産形成としての投資」

ロボアドバイザーで何ができる、どんな種類がある、ということはなんとなく分かっていただいたと思いますが、次はどういう方にロボアドが向いているのか、という話をさせていただきます。結論だけ言うと、下の赤丸で書かせていただいたように、ロボアドは「資産形成としての投資」に向いています。

私はずっと資産運用業界で働いてきましたが、セミナーや勉強会を行うと、投資に関してどういう質問を多く受けるかというと、大体一つに集約されるのですね。「資産運用のプロなのだから、何が上がるのか教えてくれ。いつ上がるんだ。いつ下がるんだ。資産運用というのは結局そこでしょう」、短期志向、タイミング重視で集中的、あえて整理するとこれは「趣味としての投資」だと私は思います。

皆さんには、この「趣味としての投資」と「資産形成としての投資」と2つをぜひ分けていただきたいなと思います。分けていただかないと、サービス提供側とお客さまとの間でミスマッチが起きてしまうと思うのですね。お客さまが求めているのは「趣味としての投資」で、どういう銘柄がいいのか、とりあえず短期でガツンと儲けたいのだ、と思っているにもかかわらず、「資産形成としての投資」を提供してしまうと物足りないということになるのですね。

ロボアドバイザーで提供できることは、短期で儲かる、でない「資産形成としての投資」であることは、ぜひご認識いただければと思います。

ロボアドバイザーにできるのは基本的に中長期、5年、10年、20年とかそういう期間での運用によるリスクコントロールです。儲けたいという気持ちはもちろんあるでしょうけれども、やはり投資というのは基本的にリスクから考えるのですね。どれぐらいのリスク量を取るのか、どういうリスクを取るのかをしっかり把握して、リスクコントロールを重視して運用していくのは、特に長期の運用では大事です。

この2つについて私が思うのは、別にどっちがいいとかどっちが悪いではなく、定食でいうと、「資産形成としての投資」というのはご飯みたいなものです。資産のコアの部分です。

一方、定食のおかずが「趣味としての投資」になると思います。こちらは自由にいろいろやりたいことをすればいい。最近だと仮想通貨、こういうのは「趣味としての投資」だと私は思います。この2つのバランスが資産運用では重要になります。ご飯の部分にロボアドを使っていただくと、お客さまにとっても我々にとってもミスマッチが起きにくいのかなと思います。

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