はじめに
2018年2月17日、人生100年時代のライフプランニング、iDeCoやNISAの制度利用、ポートフォリオの組み方、長期投資をするための心構えなどが学べる「【マネーリテラシー】が身につく1Dayスクール〜お金に困らない人生を送るために役立つ知識とは〜」が開催されました。その中で行われたセミナー「ロボアドバイザーを利用する低コスト資産運用のご提案」について紹介します。
登壇したのは、マネックス・セゾン・バンガード投資顧問株式会社MSV LIFE統括責任者・野水瑛介氏とマネックス証券株式会社オペレーション・システム部シニアマネジャー・斎藤翔太氏。ロボアドバイザーの種類や誤解、提供できる価値や両社のサービス特性について両氏が来場者向けに解説しました。本記事では、MSV LIFE統括責任者・野水瑛介氏によるロボアドバイザーとは何か、どんな種類があるのかなどについての内容をお届けします。
ロボアドバイザーで何ができるのか
野水氏: 皆さま、こんにちは。マネックス・セゾン・バンガード投資顧問の野水と申します。本日は、ロボアドバイザーについてお話しさせていただければと思います。ロボアドバイザーを知っている方も実際に投資されている方もいらっしゃると思いますけれども、何等かお役に立てれば幸いです。
まず、マネックス・セゾン・バンガード投資顧問がどんな会社であるか、簡単にご説明させていただければと思います。
マネックス・セゾン・バンガード投資顧問は、2015年8月に設立されたFintechベンチャーです。名前から分かりますように、3つの金融機関等が出資してできた会社で、大手ネット証券のマネックス証券を運営するマネックスグループ、クレジットカードで有名なクレディセゾン、そしてアメリカの低コスト運用のインデックス運用のパイオニア的な存在であるバンガード。この3社が共同出資して作られた会社です。足元ですと、400億円ぐらいのお金をお預かりして運用している状況です。
どんなことをしている会社なのかといいますと、今日お話させていただくロボアドをやっている会社です。ロボアドバイザー「MSV LIFE」を2016年9月から運営しています。講演が終わった後に「MSV LIFE」と検索いただくと無料でシミュレーションができますので、ぜひやってみていただければと思います。
本題のロボアドバイザーが一体何なのかを簡単に整理させていただいた資料がこちらなんですけども、まずロボアドで何ができるのかというと、いろいろな定義や考え方がありますけれどもポイントは2つあります。
1.リスク許容度を測定
改めて言うまでもないかもしれませんが、リスクというのは危険性のことではなく変動性のことです。リスクが高いということは非常に変動性が高い。お客さまというのは、どれほどの変動性に耐えられるかが自身ではなかなか把握できないので、それを簡単にオンライン上で測定しましょう、ということです。
2.リスク水準に適したポートフォリオで運用
お客さまがこれぐらいのリスクが取れます、変動性に耐えられます、と分かったら、その変動性の中で最適な運用を行っていくために、株や債券など、金融商品の最適な組み合わせのポートフォリオをご提案します。
そして、最初にリスクを測定してポートフォリオを組みますけれども、当然、株や債券が上がったり下がったりすれば、リスク量は変わってきますからこれを調整する必要があります。これをリバランスといいますが、リバランスを自動的に行います。つまり、最初に測定したリスクをコントロールしながら、最適な運用をやっていきますよ、というのがロボアドです。
今まで証券会社や信託銀行でラップ口座とかファンドラップと言われるものはあったと思いますが、こちらだと最低でも300万円~500万円は必要でした。手数料も少しお高めで2~3%ぐらいかかります。これを何とか1万円とか10万円とかそういう水準で小口化して、手数料も1%ぐらいでやりたいなと思っているのが私たちも含めたロボアドバイザーです。
こういうことができる理由は、基本的にロボアドバイザーはネット専業であるからです。1999年にマネックス証券ができましたけれども、ネット証券が出てきて、ネットバンク、ネット生保も出てきて、そしてネットのアセットマネジメント、資産運用会社が出てきました。ネット専業のアセットマネジメントが出てきたことによって、こういった低コストで1人1人にカスタマイズした資産運用サービスが実現された、ということです。