はじめに
ハロハロ欠品で前期は大苦戦
それにしても、ミニストップが今年のハロハロにこれだけ力を注ぐ理由は何なのでしょうか。
同社の2017年度業績は、本業の儲けを示す営業利益が前期比99.1%減の1,000万円と大苦戦しました。藤本明裕社長がその一因として挙げるのが、ハロハロをはじめとしたコールドスイーツ販売の大幅な前年割れです。
特に果実氷いちごはあまりの人気で、280万食の在庫がたった1ヵ月で蒸発。大きな機会ロスを生みました。そこで今年は、いちごで昨年の280万食にプラスして、170万食分の在庫を確保しました。温州みかんも150万食を用意し、合計320万食を増販。約10億円の増収を狙います。
ベトナムの人気商品をアレンジ
巻き返しに向けて力を入れるのは、ハロハロだけではありません。
今年度から新たに、各国のミニストップで人気となっている商品を、それぞれの国向けにアレンジして販売する取り組みがスタートしています。日本での第1弾としては、ベトナムで好評だった、紅茶と果肉を組み合わせたピーチティーをアレンジし、「ゴロッと果実のピーチティー」として4月20日に発売します。
4月20日に発売される「ゴロッと果実のピーチティー」(税込み290円)
ベトナムでは紅茶炭酸の中に缶詰の白桃を入れていましたが、日本人には紅茶炭酸が浸透していないという判断から、手でもいだ完熟白桃にシロップをまとわせ、アールグレイを注ぐ形にしました。「最も果実と馴染みやすかったアールグレイを採用し、さわやかな味わいに仕上げました」(インストア商品開発部の井上由希恵さん)。
この商品は3パターンの味わい方ができる点も特徴です。そのままストローで飲んだり、白桃をそのまま食べたり、太いストローで果肉をつぶして紅茶と一緒に混ぜて飲むこともできます。
昨年夏に店舗実験を行ったところ、15時台が販売のピークだったといいます。「パフェだとオフィスの机に置きにくいですが、ピーチティーだと仕事の合間に甘いものが欲しい時に買っていただきやすいようです」と井上さんは分析します。コーヒーの購入層とも重複しないので、プラスの売り上げが見込めるそうです。
2018年のハロハロのラインナップ。まだ「?」になっている商品の影も…
ファストフードの単品集中販売は、ミニストップの専売特許。上の写真にもあるように、同社は今年度の巻き返しに向けて、まだまだ秘策を隠しているようです。
ホットな夏のクールな商戦をどう乗り切るのか。まずはゴールデンウィークのスタートダッシュが今後を占ううえでの試金石となりそうです。