決算会見などでは報道陣の質問に対して素っ気ない回答をすることが多い、イオンの岡田元也社長。しかし、この日はいつになく饒舌でした。報道陣の囲み取材にも長時間にわたって対応し、店内もじっくり自らの目で視察して回りました。

4月20日に岡田社長が訪れたのは、同日に開店した、フランス発のオーガニックスーパー「ビオセボン」の中目黒店。国内ではイオンと仏ビオセボンを傘下に持つマルネ&ファイナンス ヨーロッパの折半出資会社が展開しており、麻布十番店(2016年12月開店)に次ぐ2店舗目となります。

1号店から2号店の出店まで1年半近くを要しましたが、今後は6月までの間に2店舗を新たにオープンさせ、出店を加速していく方針です。岡田社長はビオセボンの何にほれ込み、今から出店を加速させるのでしょうか。


オーガニック商品を2300種類も展開

「より多くの人に有機の商品を妥当な価格で提供していこうというのが、ビオセボンの戦略です。イオンと協力することで、この冒険が大成功になると信じています」

ビオセボンのティエリー・ショラーキCEO(最高経営責任者)は「ビオセボン 中目黒店」オープニングセレモニーで、将来への期待をこう表現しました。

この日オープンした中目黒店は、中目黒アトラスタワーの1階部分に約60坪の広さの売り場を構えます。品ぞろえは有機農産物やオーガニックの食パンなど約2,300種類で、そのほとんどに有機JASマークがついています。


店内にはオーガニックの農産物がズラリ

ほかにも、他店では取り扱っていない有機食材をたくさん取り扱っています。たとえば、DANIVALのフルーツピューレはフランスから直輸入したもので、日本ではビオセボンだけが展開しています。また、有機のチンジャオロースの素やインスタントラーメン、日本人向けに食パンで作ったオーガニックのサンドイッチなどを購入できます。

価格は、通常のスーパーの1.3~1.5倍程度。ただ、日常的に使う商品については、1.2~1.3倍のものが多いといいます。

「オーガニックというものをどれだけ日本の中で広げていけるか。まずは首都圏の中で、オーガニックをお客様に伝えていきたいと思っています」。ビオセボン・ジャポンの土谷美津子社長は、こう意気込みます。

なぜ1年半も間隔が開いたのか

ここで気になるのは、なぜ1号店の出店から2号店のオープンまでに1年5ヵ月の間隔が開いたのか、ということです。この点について、土谷社長は「1号店で徹底的に学習してから2号店を出したかった」と話します。

1号店で学習したこととは、品ぞろえに関する発見です。当初は物珍しさから店舗を訪れる人が多かったそうですが、より日常的に使ってもらえる商品を増やしたことで、買い上げ点数がどんどん増えていったといいます。


油揚げなど和の食材もオーガニック商品を展開

たとえば、野菜がその一例です。ほかにも、オーガニック素材のどら焼きや油揚げ、調味料や和の食材も増やしたといいます。スイーツの品数も増やしたり、メインディッシュになるようなチキン総菜も追加したりと、「普段の食生活に近いような形で品ぞろえを変えていきました」(ビオセボン・ジャポン商品・物流部の今井顕輝部長)。

その結果、業績は地道に伸びている状態だといいます。「良い物件との出合いもありますし、いろいろと実験をして品ぞろえを変えていく必要もありました。企業として、しっかり発射台が整うまでに時間がかかったということです」(今井部長)。