「未来のドア」と言われたら、どんなものを思い浮かべますか。アニメ「ドラえもん」に出てくる「どこでもドア」でしょうか。それとも、SF映画でよく見かける、近未来的なデザインのドアでしょうか。

各人がさまざまなイメージを描く未来のドアを、建材大手のYKK APが実際の製品として開発。4月25日にコンセプトモデルを発表しました。

同社が思い描く未来のドアとは、どんな製品なのでしょうか。そして、このドアを開発した狙いは、どこにあるのでしょうか。


AIが家族全員にアドバイス

「お父さん、おはようございます。今日は日中は晴れていますが、16時頃から雨の予定です。お仕事先から何時頃お帰りの予定ですか」

「8時かな」

「その時間は雨が上がっている予報です。念のため、折り畳み傘をお持ちいただくことをお勧めします。それでは、お気をつけて、いってらっしゃいませ」

家族、あるいは最近流行りのAI(人工知能)スピーカーとの会話かと思われる、一連のやり取り。実は、玄関前でドアと男性が交わしている会話です。

今回YKK APが開発した「アップデートゲート」は、ドアの内部にAIを搭載しており、玄関に立つと、家族1人1人に必要な情報を個別にアドバイスしてくれます。

その内容は多種多様。帰宅時間に合わせた天気の情報やその日のスケジュール、紫外線や花粉の飛散情報、通勤ルートにトラブルがあった際は迂回ルートをスマホに転送してくれたりもします。

ほかにも機能は盛りだくさん

アップデートゲートには、通常のドアに付いているようなハンドルや鍵穴はありません。家の中と外、2ヵ所に付いているカメラで家族の顔を認証し、自動で開閉します。両手がふさがっていたり、車イスに乗ったままの状態でも、簡単に出入りできます。

顔を登録しておけば、たとえばデイサービスのスタッフが訪ねてきた時も自動で解錠してくれます。逆に、顔を登録していない人が来た場合は、スマートフォンに動画でお知らせが届き、来客の確認や施解錠ができます。


家電と連携させることで、出かける前に状態をチェックできる

さらに、家電と連携させることで、出かける前に各部屋の家電の状態を確認できます。消し忘れなどがあれば、玄関からスイッチを消すことも可能です。伝言板機能が付いていて、出かける前に言い忘れていたことも、ドアが家族に伝えてくれます。

また、これまでのドアであれば、デザインは家を新築したりリフォームする時にしか変更できませんでした。しかし、この未来ドアなら、トレンドや季節のイベントに合わせて自由に変えられます。


スマホの壁紙のように、デザインは季節やトレンドに合わせて変更可能

さまざまな情報を取得できたり、デザインを変えられるのは、まるでスマホのようです。そのうえ、顔認証機能まで付いているので、さながら“建材のiPhone X”といったところでしょうか。

実際、デザイン面ではiPhone Xを意識した部分があるそうです。液晶は4Kパネルを使っているので枠の部分が大きくなっていますが、4Kにこだわらなければ枠をもっと薄くできるといいます。